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気の早い2016年のアメリカ大統領選挙の話

高橋和夫

高橋和夫 放送大学教養学部教授(国際政治)

 やっと長いアメリカの大統領選挙が終わった。ということは、次の大統領選挙のサイクルが始まったということである。4年後に民主党は、オバマ以外の候補者を立てざるを得ない。3選が許されていないからだ。これは3期目のフランクリン・ルーズベルト大統領が第二次世界大戦中に在職中に死亡した経験を踏まえて、3選を禁止するように憲法が改正されているからだ。

 となると当然、民主党はバイデン副大統領が大統領候補としては最有力である。

拡大東日本大震災で被害を受けた宮城県名取市の仮設住宅を訪れたバイデン米副大統領=2011年8月23日

 彼は今回の大塔統領選挙でもオバマ大統領のために獅子奮迅(ししふんじん)の戦いぶりだった。激戦州のオハイオに何度も足を運んだ。

 一番の貢献は副大統領候補の討論会だった。オバマが最初の討論会でロムニー候補に敗れた直後の討論会であった。バイデンは、共和党のライアン候補を寄せ付けなかった。単にノックアウトしたというよりは、リング外に放り出したような勝利だった。

 ライアンがオバマ政権は在外の大使館の警備をおろそかにして駐リビア大使の殺害を招いたと攻撃すると、それは共和党が多数を占める議会がアメリカの在外公館の警備予算を削減したからだと切り返した。

 オバマ政権の景気刺激策が無駄使いであるとライアンが攻撃すると、その予算を自分の選挙区に落とすためにホワイトハウスに働きかける書簡を書いているではないかと、笑い飛ばした。バイデン側は、ライアンの議論を予測し、徹底的な事前調査によって反論を準備していた。バイデンのスタッフの勝利でもあった。バイデン副大統領は、1942年生まれである。2016年には74歳である。それまでに何があるか分からない。

 共和党は誰であろうか。今回の敗戦に打ちひしがれている共和党には、有力候補が見いだせないのが現状である。ブッシュの弟のジェブ・ブッシュがいる。2007年までフロリダ州の知事を務めていた。スペイン語を話す。妻はメキシコ系である。

 今回の選挙の共和党の敗因の一つは、ラテンアメリカ系の人々つまりラティノの大半がオバマを支持したからであった。ジェブ・ブッシュは、ラティノの票を取り込むための共和党の政策の変更を求めている。しかし兄ブッシュは、不人気なイラクとアフガニスタンの二つの戦争を起こした。ブッシュ・ブランドには疑問符が付く。 

 となると他に誰がいるだろうか。2008年の大統領選挙のころから、名前がささやかれていた人物がいる。 ・・・ログインして読む
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筆者

高橋和夫

高橋和夫(たかはし・かずお) 放送大学教養学部教授(国際政治)

北九州市出身、放送大学教養学部教授(中東研究、国際政治)。1974年、大阪外国語大学ペルシャ語科卒。1976年、米コロンビア大学大学院国際関係論修士課程修了。クウェート大学客員研究員などを経て現職。著書に『アラブとイスラエル』(講談社)、『現代の国際政治』(放送大学教育振興会)、『アメリカとパレスチナ問題』(角川書店)など多数。ツイッター https://twitter.com/kazuotakahashi ブログhttp://ameblo.jp/t-kazuo 

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