高橋和夫
2012年11月13日
となると当然、民主党はバイデン副大統領が大統領候補としては最有力である。
彼は今回の大塔統領選挙でもオバマ大統領のために獅子奮迅(ししふんじん)の戦いぶりだった。激戦州のオハイオに何度も足を運んだ。
一番の貢献は副大統領候補の討論会だった。オバマが最初の討論会でロムニー候補に敗れた直後の討論会であった。バイデンは、共和党のライアン候補を寄せ付けなかった。単にノックアウトしたというよりは、リング外に放り出したような勝利だった。
ライアンがオバマ政権は在外の大使館の警備をおろそかにして駐リビア大使の殺害を招いたと攻撃すると、それは共和党が多数を占める議会がアメリカの在外公館の警備予算を削減したからだと切り返した。
オバマ政権の景気刺激策が無駄使いであるとライアンが攻撃すると、その予算を自分の選挙区に落とすためにホワイトハウスに働きかける書簡を書いているではないかと、笑い飛ばした。バイデン側は、ライアンの議論を予測し、徹底的な事前調査によって反論を準備していた。バイデンのスタッフの勝利でもあった。バイデン副大統領は、1942年生まれである。2016年には74歳である。それまでに何があるか分からない。
共和党は誰であろうか。今回の敗戦に打ちひしがれている共和党には、有力候補が見いだせないのが現状である。ブッシュの弟のジェブ・ブッシュがいる。2007年までフロリダ州の知事を務めていた。スペイン語を話す。妻はメキシコ系である。
今回の選挙の共和党の敗因の一つは、ラテンアメリカ系の人々つまりラティノの大半がオバマを支持したからであった。ジェブ・ブッシュは、ラティノの票を取り込むための共和党の政策の変更を求めている。しかし兄ブッシュは、不人気なイラクとアフガニスタンの二つの戦争を起こした。ブッシュ・ブランドには疑問符が付く。
となると他に誰がいるだろうか。2008年の大統領選挙のころから、名前がささやかれていた人物がいる。
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