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「日本未来の党」は希望の星たり得るか?――「脱原発への結集」による真の第3極

小林正弥 千葉大学大学院社会科学研究院教授(政治学)

■民主本党の実現――友愛から「未来への地球倫理」へ

 この政党に対する批判として、今のところ、もっとも目立つのは「小沢氏の傀儡」というものだろう。確かに、小沢氏は9月頃から嘉田氏をトップにする新党を模索してきたといい、達増拓也岩手県知事を通じて9月末に構想を嘉田氏に打診し、嘉田氏と小沢氏は3回会って連携を相談したという。だからこそ、この新党にすぐ「国民の生活は第一」は合流したのである。

 結成時に、嘉田氏は「未来をつくる政治の結集軸」となる基本政策として「卒原発(全原発廃炉への道筋)、活女性・子ども(子育てなどの応援)、守暮らし(医療・福祉・年金など)、脱増税(消費増税凍結)、制官僚(行政・司法の抜本改革)、誇外交(食品の安全・医療制度を守るための品格ある外交、TPP反対)」をあげた。

 そして、「政治主導」を重視し、この新党の公約「未来への約束」ではそれを具体化して、軸となる「卒原発」の他に、活「子ども・女性」(子ども1人当たり年間31万2000円支給、一部は子育て応援券、高校授業料無償化堅持、いじめ撲滅に向け小中学生への「心の教育」実施など)、守「暮らし」(最低保障年金創設、年金一元化、後期高齢者医療制度廃止、農林業への戸別所得補償など)、脱「増税」(消費増税凍結)、制「官僚」(公務員制度改革、天下り全面禁止、無駄と利権をなくす、地域主権改革など)、誇「外交」(東アジア外交重視、食料自給率50%目標、TPP交渉参加反対、国家安全保障会議の創設と安全保障基本法制定など)が挙げられている。

 ここには、前回の総選挙における民主党マニフェストと類似しているものが多い。これは、この公約が「国民の生活が第一」の政策を基礎にして、嘉田氏らの主張を加えて作ったものだからであろう。

 小沢氏は執行部に入らないということになり、「国民の生活が第一」からは森裕子(ゆうこ)参院議員が副代表になることになったが、小沢色の存在を否定することはできない。現に、嘉田代表もこの点を問われて、「これまで小沢さんを利用した人は自分のために利用したかもしれないが、私は小沢さんの力を日本の未来のために使う」(11月29日)と説明したという。

 しかし、小沢氏の存在について、一体何が問題となるのだろうか? 

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筆者

小林正弥

小林正弥(こばやし・まさや) 千葉大学大学院社会科学研究院教授(政治学)

1963年生まれ。東京大学法学部卒業。2006年より千葉大学大学院人文社会科学研究科教授。千葉大学公共研究センター共同代表(公共哲学センター長、地球環境福祉研究センター長)。専門は、政治哲学、公共哲学、比較政治。マイケル・サンデル教授と交流が深く、「ハーバード白熱教室」では解説も務める。著書に『対話型講義 原発と正義』(光文社新書)、『日本版白熱教室 サンデルにならって正義を考えよう(文春新書)、『サンデル教授の対話術』(サンデル氏と共著、NHK出版)、『サンデルの政治哲学 〈正義〉とは何か』(平凡社新書)、『友愛革命は可能か――公共哲学から考える』(平凡社新書)、『人生も仕事も変える「対話力」――日本人に闘うディベートはいらない』(講談社+α新書)、『神社と政治』(角川新書)など多数。共訳書に『ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業』(ハヤカワ文庫)など。

 

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