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「石原・小沢」の合流でぼけた争点――脱原発など「政策投票」の必要はないか

菅沼栄一郎 朝日新聞記者(地域報道部)

 日本維新の会と日本未来の党が、それぞれ石原慎太郎氏(80)と小沢一郎氏(70)と組んだことは、正解だったのか。

 少なくとも、選挙中盤戦の現状では、両党とも苦戦を強いられ、政策的にも両党を軸とする「第3極」は、投票先の選択に迷う有権者に、有効な選択肢を提示することができていないように見える。

 関西以外に足場がなかった「維新」は石原氏に東日本、あるいは全国での票の上乗せを期待した。が、むしろ「脱」原発ならぬ「脱線」発言が党の政策との整合性を問われ、対応に追われる場面が目立っている。

 片や、小沢氏は48人の現職議員を引き連れて合流、日本未来の党をいっぺんに第3党に押し上げたものの、小沢アレルギーは思いのほか強烈で、目玉である脱原発への工程表がいまひとつ有権者にアピールしていない。

 野田佳彦首相は12月5日、「維新」の石原代表と橋下徹代表代行を「二股のオロチ」に例えた。

 「なんで石原さんを党首に担いだのかわからない。もともと持っていた切れ味の鋭い路線が見えなくなっている」

 「維新」が当初掲げた「原発フェードアウト」公約はその後、石原氏の「核兵器に関するシミュレーションくらいやったらいい。(フェードアウト公約は)修正させる」との発言を受け、公約ではなく「政策例」(橋下代表代行)と修正した。石原氏はさらに、「日本は原発に関して優秀な先進国。もし(原発再稼働できず)20%の電力値上げをやったらどういうことが起こるか。日本のほとんどの産業は壊滅する」と踏み込み、各党の政策座標軸の中で、「維新」は自民党よりもさらに「推進」方向に位置づけられかねない勢いだ。

 石原氏が選挙後の自民党との連立について「できると思う」と発言をした翌日の会見で、松井一郎幹事長は「全くない」と否定した。対応に追われるなかで松井氏はテレビ番組で微妙な発言をした。

 「石原代表はね、もう自分は槍先でいいと。穴さえあければ、後は橋下君頼むよ、と言っている」

 取り方によっては、石原氏が何を語ろうが、選挙後は橋下氏ら執行部の方針で行く、というようにも聞こえる。ただし、内輪でどのような会話があろうとも、「選挙中の代表の発言」は重い。「維新」が「第3極」なのか、自民党の補完勢力なのか、有権者にはその立ち位置がいっそう見えにくくなっている。

 一方で、日本未来の党はどうか。嘉田由紀子代表(滋賀県知事)とともに二人三脚で行政を進めてきた越直美大津市長は公示日(12月4日)の会見で、小沢氏との合流について ・・・ログインして読む
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筆者

菅沼栄一郎

菅沼栄一郎(すがぬま・えいいちろう) 朝日新聞記者(地域報道部)

朝日新聞記者 1955年11月27日生まれ。80年、新聞記者に。福島支局、北海道報道部、東北取材センターなど地域を歩く。この間、政治部で自民党などを担当。著書に『村が消えた――平成大合併とは何だったのか』(祥伝社新書)、『地域主権の近未来図』(朝日新書、増田寛也・前岩手県知事と共著)。

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