朝日新聞論説委員。1961年、大阪生まれ。84年、京都大学法学部卒、朝日新聞入社。鳥取支局、大阪社会部、東京政治部、「AERA」編集部、名古屋社会部次長、政治部次長、論説委員、前橋総局長をへて、2012年4月から現職。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
だが、大会を前に、複数の参院議員が離党するなど、党の足元は依然、おぼつかない。
この日、発表された総選挙の敗因の総括文書は「すべての国民の皆様に、期待を裏切ったことを率直にお詫びしなければいけない」とし、「歯を食いしばってでも民主党を創生しなくてはならない」と誓った。
その言葉通り、民主党の再生は容易ではあるまい。それでも、時間がかかってでも成し遂げてもらいたい。
それは、ひとり民主党のためだけではない。
全国規模の党員や支持団体をもち、包括的な政策の体系があり、政権がつまずけばいつでも交代できる。日本の民主主義にはそんな野党の存在がどうしても必要だからである。
政権交代可能な政治をつくる。この20年、日本の政党政治がめざしてきた歩みを逆戻りさせない。そのためにこそ、民主党にはまさに「歯を食いしばる」責任がある。
新たな綱領は、そのためのスタート台になりうるのか。
「既得権や癒着の構造と闘う改革政党」「共生社会」「新しい公共」「公開・参画・対話を重んじ、広く国民との協働による政策の決定と実行を目指す」……。
盛り込まれたキャッチフレーズの数々だ。
綱領には、党内で賛否が割れた「中道」「中庸」といった言葉は盛り込まれなかったが、「右」に傾く安倍自民党政権との違いを強調しようとする思いは伝わってくる。
だが、それだけでは足りない。
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