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貧しいけど、愉しい共産国・キューバ(中) いじめ防止に秘策あり

早房長治

 私がハバナ市プラヤ地区のエーブラハム・リンカーン小学校に午前8時半過ぎに到着した時、全校児童を校庭に集めた朝礼がすでに始まっていた。若いボルヘス校長(28)が「今日も頑張りましょう」と短い訓辞を述べ、女性教諭が事務的な知らせを説明したところまでは、どこの国のどの小学校でも行われる朝礼であった。しかし、ここから日本の学校では考えられないことが起こる。

 文化行事担当の女性教諭に指名されて生徒たちの前に出た上級生3人が自作の詩を読んで、大きな拍手を受けた。すると、旧式のラジカセがマンボを勢いよく奏で始め、それに合わせて飛び出してきた6人の女生徒が踊り出した。キューバ独特の軽快なリズムと明るいメロデイー。2番になると、校庭にいた約150人の生徒全体が揺れ始めた。そこからはお祭り騒ぎ…。

拡大算数の授業で数字カードを掲げる子供たち

 授業になると、生徒たちの明るさと元気はさらに盛り上がる。2年生の算数の授業では、粗末な紙でつくった手製カードを使って99の掛け算の練習。女性教師の質問に毎回、一斉に手が挙がる。5年生の英語の授業では、若い男性教師の問いかけに生徒の大部分が勢いよく答え、教師が「答えを黒板に書ける人は」と呼び掛けると、数人が先を争って飛び出してくる。これも、日本の小学校ではあまり見られない光景である。

 ここは小さな6年制小学校である。生徒総数は152人。7クラスしかなく、1クラス当たりの生徒数は12人から25人である。キューバの小学校にはいくつもの特徴があるが、最大の1つが1クラス25人以下の少数学級制をとっていることである。この学校では、3学年だけが36人と25人を超えているため、24人と12人の2クラスに分けている。

 授業内容や指導方法は政府が決めるが、政府の政策はかなり柔軟性に富み、教育現場に任せる部分も少なくない。教育内容や指導法にしても、各学校の教師と父兄が定期的に話し合って、地域に適したものに変更できるという。

 授業科目では、国語と算数が重視され、全授業の半分近くを占める。この学校では毎金曜日が「算数の日」とされていて、成績優秀者が学年別に発表される。また、地域の算数コンクール、州の大会、全国大会があり、昨年、リンカーン校からも州大会に1人が出場した。国語では教科書の文章などの音読、暗記が重視される。

 5、6年生になると、歴史も重視され、

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