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国会議員の不思議なこと――立法活動をどう進めるか

鈴木崇弘 城西国際大学客員教授(政治学)

 私は、この30年近く政策絡みの活動をし、国会周辺の仕事もしてきている。それで不思議に思うことがある。

 それは、なぜ国会議員はもっと実際的に立法活動ができる仕組みをつくろうとしないのかということだ。本記事ではその不思議について、考えていきたい。

 国会議員は、国会(実際には衆議院と参議院があるだけであって、「国会」は憲法や法律上にしかなく、実態はない)という立法府で活躍すべく、選挙で選ばれている(はずである)。そして、すべての国会議員はすべての法律案の採決に関わり、判断していかねばならない立場にある。

 だが、議員個人がすべての分野のすべての法律案や政策案を理解し、正確に判断するのは無理だ。筆者は、国会議員になる人間は皆、ある才能や人を魅了する力はあると考えているし、実際にそれがあることは認める。しかしながら、特定分野は別として、ありとあらゆる政策分野を把握し、理解できるようになることはほぼ100%無理といっていい。それは個人の能力を超えているからだ。それに議員は、立法活動以外に、選挙活動や資金集め、事務所の運営も並行してやらないといけない。

 しかも議員には、税金で支払われる公設の秘書が政策担当秘書を含めて3名しかいない。自腹で私設の秘書を雇うことは可能だが、一部の議員を除けばほとんどの議員にはその資金的余裕はない。

 衆参の立法をサポートする人員もある程度はあるが(注1)、行政組織と比べれば制約があり、国会が自律的に立法機能を果たせるようにはなっていない。

 さらに、政党による政策調査の態勢や人員も非常に限定されている。このため政党が現実的でイノベイティブな政策案を独自につくり続けることにはかなりの困難がある(注2)。特に政権を獲得し、多くの議員がより多忙になるとなおさら難しい。また政党は、自分の立場を相対的に有利にしようという議員の集まりであり、執行部の変更があると別組織になるような面もある。

 このような中、心ある議員は、

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筆者

鈴木崇弘

鈴木崇弘(すずき・たかひろ) 城西国際大学客員教授(政治学)

城西国際大学大学院国際アドミニストレーション研究科客員教授。1954年生まれ。東京大学法学部卒。マラヤ大学、イースト・ウエスト・センターやハワイ大学大学院等に留学。東京財団の設立に関わり、同財団研究事業部長、大阪大学特任教授、自民党の政策研究機関「シンクタンク2005・日本」の設立に関わり、同機関理事・事務局長などを経て現職。中央大学大学院公共政策研究科客員教授。著書に『日本に「民主主義」を起業する――自伝的シンクタンク論』『シチズン・リテラシー』『僕らの社会のつくり方――10代から見る憲法』など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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