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 政権が再度交代し、「事業仕分け」に関する話を全く聞かなくなった。「事業仕分け」自体、政権交代の象徴、政治のパフォーマンスとなり、その成果がそれほどでもないとわかると、あっという間に社会的関心が失われた。

 筆者としては、以前の記事(「『事業仕分け』も大きく変わらなければならない!」で書いたように、「事業仕分け」自体は、当時言われていたほど大きなことだと思わなかったが、それなりに評価もしていた。

 だが、当時を振り返ると、その最も重要なポイントは、政策や事業を的確に評価することが必要であり、その評価を次の政策や事業づくりに活かせる、パフォーマンスを超えた仕組みが必要だということを意味していたと言える。

 当時、事業評価の担当の方と話したことがある。その方は「事業仕分けを、単なるパフォーマンスとして終わらせるのでなく、事業や政策を評価して予算作成のシステムを構築していくことも検討している」と語っていた。しかし、そのようにならなかったのは残念なことだ。

 安倍自民党政権に代わり、社会の雰囲気も経済も活況を呈し始めた。一部の企業は、給与の引き上げも決定している。

 このようななか、財政健全化の話は低下してしまった感がある。

 それは安倍政権の方向性にも明確に表れている。

 現在、国会で平成25年度予算案が審議され、まもなく成立する。同予算案における国債などの公債金(国の借金)は、昨年度予算より減らし、42.9兆円に抑えられているといわれる。

 だがこれは、安倍政権が、本年2月、平成24年度の13.1兆円の規模の補正予算を成立させ、平成24年度補正予算と合わせて実質上の「15ヶ月予算」としているからだ。しかも、その補正予算で7.8兆円以上の公債金を歳入予算に繰り込んでおり、平成25年度当初予算の公債金42.9兆円と合計すると50.7兆円もの巨額の借金をすることになる。

 そのため、その予算は、昨年度よりも借金を減らしたとはいえないのだ。これは、極端な言い方をすれば、財政健全化を会計操作で偽装しているともいえよう。このような言葉のごまかしはいただけない。

 なぜこのようなことが起きるのか。

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筆者

鈴木崇弘

鈴木崇弘(すずき・たかひろ) 城西国際大学客員教授(政治学)

城西国際大学大学院国際アドミニストレーション研究科客員教授。1954年生まれ。東京大学法学部卒。マラヤ大学、イースト・ウエスト・センターやハワイ大学大学院等に留学。東京財団の設立に関わり、同財団研究事業部長、大阪大学特任教授、自民党の政策研究機関「シンクタンク2005・日本」の設立に関わり、同機関理事・事務局長などを経て現職。中央大学大学院公共政策研究科客員教授。著書に『日本に「民主主義」を起業する――自伝的シンクタンク論』『シチズン・リテラシー』『僕らの社会のつくり方――10代から見る憲法』など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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