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高校生、おそるべし!――政治における「静かな革命」

鈴木崇弘 城西国際大学客員教授(政治学)

 3月の最後の週に、ユニークで新しい時代の到来を印象づける高校生主催の全国規模のイベントが二つあった。

 まず一つ目は、「全国高校生徒会大会」。生徒会で活動する全国の高校生たちが直接意見をぶつけ合う初めての機会となった。フェイスブックなどで連絡をとり、実行委員会を組織、北海道からか鹿児島までの75校が参加した(注1)。

 生徒会は近年、形骸化などの問題も指摘されているようだが、元々は生徒が集団の中で合意形成をどのようにするかという民主主義の基本を実践的に学ぶ機会として、戦後、学校に取り入れられた仕組みだ。

 その観点からしても、今回の試みは、高校生から生まれたもので、生徒会本来のあるべき姿を体現しているのではないかと思う。

 もう一つは、衆議院第一議員会館で開催されたイベント「僕らの一歩が日本を変える。」だ。筆者も観させていただいた。

 今回は昨年8月に引き続いて2回目だが、「100人の政治に関心のない高校生が、より深く、密度の濃い議論を行うことで、政治に興味をもってもらい、新たな『僕らの一歩』を作ることを目的」として開催された。

プレゼンの様子=撮影・筆者

 そして、「普段10代が話すことのない、国会議員や官僚の皆さんたちの考えに触れ、10代から政治を変える、その第一歩を踏み出すきっかけを作る」ようにしたいそうだ。

 その思いどおり、ネットを通じて全国25カ所から100名以上の高校生が集まり(注2)、40名を超える国会議員や官僚などと共に、「インターネット選挙」、「イジメ」、「高校教育」、「税と社会保障」、「貧困と格差」、「日中関係」、「日米関係」、「地方」、「東北」などのテーマに関して、熱い議論を交わした。

 高校生側から、テーマごとに問題認識と提言のプレゼンがあり、議員らから

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