間中健介(政策男子部部長、関西学院大学客員研究員/元・衆議院議員秘書)
2013年06月14日
政治家は白馬の王子様でもなければ魔法使いでもない。というより、白馬の王子様や魔法使いは、おそらく政治家になる道を選ばない。若干の例外はあるが、熱い思いに満ちた普通の国民が、覚悟のうえで選挙に立候補し、努力を認められれば票の数によって政治家の地位を与えられる。
政治家は社会にとって有限の資源である。そのため、政治家を生み育てるコストの一部が国家として負担されている。ただし、事実上それだけでは活動費を賄えないため、政治家は保有資産の切り崩しや借金、「大物」からの分配金、篤志家や特定の企業団体の献金等によってキャッシュフローを確保する。
その他には政治資金パーティーというファンドレイズ策もあるが、数百人を動員する力がある一部の有力政治家でない限り、実質的な資金源にはなりえない。
名もなき新人候補者は、大物に認められるか、篤志家を見つけるか、特定の企業団体に認めてもらえなければ、借金をするしかない。選挙に出る人は自宅の家賃や交通費が無料になる(!?)、といった制度がない以上、マスメディアに「カネをかけない選挙をすべき!」と言われようとも、候補者は資金収集行動に努めなければならない。
もっとも、立候補経験者の多くは「最大の費用は機会費用」と言う。つまり立候補に伴って勤務先を退職することにともなう定収の喪失である。政治活動中も生活費や子息の学費はかかるので、
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