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若い世代の声を聞こう!――彼らも黙ってはいない

鈴木崇弘 城西国際大学客員教授(政治学)

 若い世代は、人口数でも少なく、投票率も他の世代と比べてかなり低い。その結果、世代間受益格差の問題に示されるように、政治的には若い世代の意見が無視され、彼らが損をするような政策がおこなわれているともいわれる(注1)。

 そのうえ、上の世代からは 「今の若者は、社会や政治に関心がない。なっとらん」と、これまで何度もいわれてきた。

 だが、これについては、どうやら撤回する必要性が生まれてきているようだ。

 先に拙記事「高校生、おそるべし!――政治における『静かな革命』」で、政治に関するイベントや全国高校生生徒会の開催など、高校生による政治的、社会的な活動を紹介した。

 ここでは、若者のそれらの活動のうち近年のものに焦点をあてて、紹介したい(注2)。

 はじめに、若者世代の政治や選挙に関わる活動を促進する動きからみていこう。

 まず20代の投票率の向上を目指す「ivote(アイ・ヴォート)」。学生有志で2008年4月に設立された。現在も学生・大学院生が、ネットを活用して投票活動を促進する活動や、政治家と学生が居酒屋で意見交換をする居酒屋ivoteなどさまざまな活動を続けている。

 また「ivote」のOB・OGなどが中心になり、NPO法人「YouthCreate、ユースクリエート」を2012年に結成した。中野区活性化プロジェクトや政治家との飲み会、トークイベント、市民教育プログラム作成などを通じて、若者の政治・社会参画の推進に向けて活動している。

 これらの活動は、東京が中心だが、全国にも広がってきている。

 たとえば、地域的な活動では、「選挙チャンネルby さがcolor」がある。これは、7月の参議院選挙で、佐賀県の20代投票率を「全国一に」という活動で、キックオフ・ミーティングでは「若者の投票率65%」を目指すと宣言している。

 全国的に広がるものとして、「明るい選挙推進運動」でも、大学生などの約20のグループ(全国の若者啓発グループ)が選挙管理委員会と協力、若い世代が選挙に関心をもつように、「選挙に行こう」と呼びかけている。具体的活動としては、模擬投票、学園祭・成人式等での参加呼びかけ、若者とのフリートーク、政治家との意見交換などに取り組んでいる。

 次に、上記のような若者の政治参加促進を超えて、若者世代から発信したり、社会に影響を与えようという動きもある。

 たとえば、若い世代が中心となっておこなわれた「One voice Campaign ネット選挙運動解禁に向けて」がある。これは、若者が中心になって、今夏の参議院選挙でのネット選挙運動解禁の実現に貢献した。

 また若者(開設当時は学生)が2012年に開設した「日本政治.com」がある。これは、衆議院選挙でも非常に注目された。ビジネス展開できる政治報道を目指したもので、若い世代からの政治への新しい試みである。

 さらにもう一歩踏み込んで、若者の側から政策提言をしようという動きもある。たとえば、「ワカモノ・マニフェスト」である。

 さらにこの6月に始動にしたばかりの「TEEN’S RIGHTS MOVEMENT」もある。ここは、「これからの日本を担う若者たちへ。日本を変えるのは、いつですか。20歳から18歳への選挙年齢引き下げを、自分たちの手で」と宣言し、高校生によってはじめられた18歳選挙権実現運動である。

 その活動は、活動名に「Rights(権利)」という言葉を使い、その宣言どおり、若い世代の権利を自らの力で獲得しようと高らかに謳いあげ、力強く動き出した。まさに、厳しい状況に置かれたといわれる若い世代からの心の叫び、意思を感じる。日本でもついにこんな活動が生まれるようになった、時代は来たのでは、とさえ感じる。

 このようにさまざまな活動が、最近若者によってはじめられている。これは単なる偶然だろうか? ・・・ログインして読む
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筆者

鈴木崇弘

鈴木崇弘(すずき・たかひろ) 城西国際大学客員教授(政治学)

城西国際大学大学院国際アドミニストレーション研究科客員教授。1954年生まれ。東京大学法学部卒。マラヤ大学、イースト・ウエスト・センターやハワイ大学大学院等に留学。東京財団の設立に関わり、同財団研究事業部長、大阪大学特任教授、自民党の政策研究機関「シンクタンク2005・日本」の設立に関わり、同機関理事・事務局長などを経て現職。中央大学大学院公共政策研究科客員教授。著書に『日本に「民主主義」を起業する――自伝的シンクタンク論』『シチズン・リテラシー』『僕らの社会のつくり方――10代から見る憲法』など。

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