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朱建栄氏の拘束、いまは「双規」の段階か?

藤原秀人 朝日新聞記者(国際報道部)

 東洋学園大学教授の朱建栄氏が7月17日に故郷の上海に行った後、連絡が取れなくなっている。上海に着いた直後に中国当局に拘束された、と伝えられる。中国籍の朱氏は日本側に中国の重要な情報を提供していたとか、日中の二重スパイだったとか、様々な情報が飛び交っている。しかし、真相は不明のままだ。

 私は中国問題を担当していたので、中国共産党や政府、報道機関、シンクタンクなどに所属する様々な人とつき合っていた。だが、そういった知人が突然いなくなり、連絡が取れなくなったことが少なからずあった。

 理由はいくつかあげられる。本人が外国人記者と接触するのが嫌になった。所属する機関や企業から接触を禁じられた。米中央情報局(CIA)にあたる国家安全省などの情報機関に復帰したり転籍したりした。共産党の規約や法律に触れて、取り調べを受け、処分された。

 中国政府のシンクタンクである中国社会科学院日本研究所の副所長だった金熙徳氏は2009年初めに連絡が取れなくなった。金氏は東京大学で博士号を取得した日本問題の専門家だった。08年の胡錦濤国家主席(当時)の訪日に際しては、我々日本の記者や研究者から日本の対中感情などについて熱心に意見聴取した。「主席の訪日を成功させるためだ」と話していたのを覚えている。

 「双規らしいよ」。金氏が姿を消してから間もなく、そんな話を聞いた。

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筆者

藤原秀人

藤原秀人(ふじわら・ひでひと) 朝日新聞記者(国際報道部)

1980年、朝日新聞社入社。外報部員、香港特派員、北京特派員、論説委員などを経て、2004年から2008年まで中国総局長。その後、中国・アジア担当の編集委員、新潟総局長を経て、2014年9月より国際報道部。2000年から1年間、ハーバード大学国際問題研究所客員研究員。

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