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元「構想日本」西田陽光さんの「卒業式」

鈴木崇弘 城西国際大学客員教授(政治学)

 先日、永田町や霞が関では知らない人がいないくらい有名な西田陽光さん(注1)の「卒業式」があった。

 「卒業」というのは、正確にいうと語弊がある。西田さんが、16年勤めてきたというか牽引してきた、政策シンクタンク「構想日本」を今年の6月に辞めたのだ。それを、「卒業」と見なしたわけだ。

「卒業式」で挨拶する西田陽光さん拡大「卒業式」で挨拶する西田陽光さん
 政治家、官僚、学者、ジャーナリスト、市民運動家、NPO・NGO関係者、社会起業家、大学生や高校生等々、広い意味でパブリックな活動に関わり、社会に影響を与えている活きのいい老若男女が総勢約200名集まり、西田さんの「卒業」を盛大に祝った。その光景は、西田さんの日ごろの人間関係や人柄を物語るものだった。

 構想日本は、1997年に設立され、研究よりも実際の政策形成過程に影響を与えることを目指したシンクタンクだ。事業仕分け等さまざまな提案や実践を行い、とくに事業仕分けは民主党政権にも採用され、構想日本の関係者は政権運営や実務に関わったりした。

 西田さんは政権に関わることはなかったが、軽快なフットワーク(正確には自転車)で永田町や霞が関を、そして全国各地を軽快に動き回り、現場を知り、人と人とを結び付け、構想日本を牽引し、時にはその枠を超えて、昼夜を問わず力強く物事を進める活動をしてきた。

 そうした活動をする人は、目立ちたがりであったり将来議員を目指す者が多いが、大義を信じて後ろ支えをしていこうという人は非常に少ない。だが、西田さんは、政策コミュニティーにおいて、後者の貴重な人材だ。

 また西田さんは、人を肩書きや役職あるいは知名度、年齢や性別で判断せず、その人が本物かどうかを人物本位で見極め、人間関係を構築していくタイプだ。また、自分で正しいと信じたものや行動を支え、後押し、社会に広めていった。

 そして西田さんのもう一つの特長というか凄さは、エネルギーに満ち溢れた、執念にも近い継続性だ。相手の問題や課題を舌鋒鋭く指摘しながらも、外連味(けれんみ)なく正面から、倦まずたゆまず支え続ける力だ。

 例えば、西田さんが長年手塩にかけてきた、学生が

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筆者

鈴木崇弘

鈴木崇弘(すずき・たかひろ) 城西国際大学客員教授(政治学)

城西国際大学大学院国際アドミニストレーション研究科客員教授。1954年生まれ。東京大学法学部卒。マラヤ大学、イースト・ウエスト・センターやハワイ大学大学院等に留学。東京財団の設立に関わり、同財団研究事業部長、大阪大学特任教授、自民党の政策研究機関「シンクタンク2005・日本」の設立に関わり、同機関理事・事務局長などを経て現職。中央大学大学院公共政策研究科客員教授。著書に『日本に「民主主義」を起業する――自伝的シンクタンク論』『シチズン・リテラシー』『僕らの社会のつくり方――10代から見る憲法』など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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