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民から日本社会をつくり直す

鈴木崇弘 城西国際大学客員教授(政治学)

 2013年12月に、民からの日本社会のつくり直しに関わる2つの興味深い活動や動きが始まった。

 まず一つ目は、「コミュニティ・オーガナイズ(CO)」に関する活動だ。このCOは、市民一人ひとりを変え、「普通の市民が立ち上がり、その持てる力をコミュニティのために結集し、社会の仕組み変えていこう」という活動だ。

 その活動の中心である鎌田華乃子さんが、米国ハーバード大学のケネディスクールで学んだ際、このCOの重要性に気づき、これを日本社会に導入し、根付かせることによって日本を変えられると確信して、仲間と共に活動(注1)を開始したものだ。

 米国では、2008年にバラク・オバマが初の黒人大統領になった。その大きな要因の一つが、COのためのボランティア育成プログラムである「キャンプ・オバマ」などを通じたオルガナイジングを選挙活動に取り入れたことだ。これによって、普段はあまり投票に参加しない若者や黒人などマイノリティー層を有効に動員したといわれている(注2)。その選挙戦略を立てたのがハーバード大学のマーシャル・ガンツ博士である。

 鎌田さんらは、12月に招聘したガンツ博士を中心に「キャンプ・オバマ」に基づくワークショップ(注3)や一般向け講演会(注4)を開催し、日本におけるCO活動をキックオフした。そして、今後このCOを日本全国に広める活動をする組織を立ち上げるべく準備をしている(注5)。

 このCOの活動は、市民の力をエンパワーして、日本の個々人やコミュニティ・地域から日本を変えていこうという試みであろう。

 もう一つは、「ふじみ野未来政策研究会(スクラムinふじみ野)」(注6)だ。これは、民間による活動ではなく、埼玉県ふじみ野市が主催している活動だ。

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