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政治版クラウドファンディングで求められる政治家のプロデュース力!

鈴木崇弘 城西国際大学客員教授(政治学)

 リチャード・ニクソン元米国大統領は、自著『指導者とは』(注1)において、「政治家は演技ができる必要がある」と述べている。

 筆者も、政治や政治家に関わる仕事をしてきた経験から、このことを実感している。また、政策や政治は、新しい社会・国を構築していくことであり、それはまさに社会や国そして未来をプロデュースする創造性が必要なアートだと考えている(注2)。

 他方、先の拙記事「クラウド・ファンディングで議員立法を支援できないか?」(WEBRNZA 2013年11月29日)で、現在、社会的なアート活動といってもいいほどの政策づくりで頑張っている議員が金銭面でも苦戦しているので、それを解決するためにクラウドファンディングが活用できないかという提案をした。

 こんな中、その2つを結び合わせたような企画である「政治版クラウドファンディング(注3)」が、NPO法人ドットジェイピーおよびシューティングスター(を手掛けるJGマーケティング)によって立ち上げられた。

2014年3月18日に開催された記者会見=撮影・筆者拡大2014年3月18日に開催された記者会見=撮影・筆者
 クラウドファンディング(crowd funding)は、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語で、主にインターネットなどを通じて、目的や志の実現のため、不特定多数の人々に対して財源の提供や協力を求めるものだ。

 これに対して、今回立ち上げられた「政治版クラウドファンディング」は、シューティングスターのサイトにおいて、国会議員、地方議員、立候補予定者など広義の「政治家(政党なども含む)」がプロジェクトオーナーとなって、資金調達の目的を立ち上げ、インターネットを通じて個人の支援者から資金を調達し、資金提供者は賛同するプロジェクトの物販品(ギフト)を購入するという「国内初」の購入型クラウドファンディングサービスである。

 ネットによる政治献金のサイトは、楽天政治LOVE JAPANなどがあるが、献金獲得では徐々に増えてきているものの、全体として苦戦している(注4)。その一つの理由としては、議員や候補者あるいは政党への支持があれば別だが、その使用目的がわかりづらく、献金するインセンティブが湧きにくいことがある。

 今回のサービスは、使用目的が明確で、物販物を購入する形式をとるので、一般の人にもわかりやすく、透明性が高くなるように工夫されている。また、政治家が主催するパーティーチケットなどを購入して、政治家を支援することは一般的だが、その料金は高額で(注5)、個人には負担が大きすぎるのが現実だ。高額な政治献金も個人にはハードルが高い。今回のサービスは、その点でも利点がありそうだ。

 また、寄付や献金ではなく、このような対価性のあるギフトの販売になったのは、既存のネット政治献金サービスとの棲み分けや、本件に関わる「法律上の関係から、このやり方しかないとして見つめた方法」(注6)だそうだ。

 現在の時点で、政治家から提案されているプロジェクト(カッコ内は例示ギフト。資金提供額により異なる)には、例えば次のようなものがある。

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筆者

鈴木崇弘

鈴木崇弘(すずき・たかひろ) 城西国際大学客員教授(政治学)

城西国際大学大学院国際アドミニストレーション研究科客員教授。1954年生まれ。東京大学法学部卒。マラヤ大学、イースト・ウエスト・センターやハワイ大学大学院等に留学。東京財団の設立に関わり、同財団研究事業部長、大阪大学特任教授、自民党の政策研究機関「シンクタンク2005・日本」の設立に関わり、同機関理事・事務局長などを経て現職。中央大学大学院公共政策研究科客員教授。著書に『日本に「民主主義」を起業する――自伝的シンクタンク論』『シチズン・リテラシー』『僕らの社会のつくり方――10代から見る憲法』など。

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