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今、当事者の若い世代が立ち上がる!――ACT18の挑戦

鈴木崇弘 城西国際大学客員教授(政治学)

 最近、『平成26年版こども・若者白書(平成25年度子ども・若者の状況及び子ども・若者育成・支援施策の実施状況)』が発表された。

 同白書によれば、日本の若い世代には、「社会現象が変えられるかもしれない」という意識は、諸外国と比較して低い(表1)。他方、表2や表3が示しているように、日本の若い世代は、他国と同等あるいはそれ以上に、日本人であることに誇りをもち、日本のために役立ちたいと思っている。

拡大「社会現象が変えられるかもしれない」と考える若い世代の割合「自国人であることに誇りをもっている」と考える若い世代の割合「自国のために役立つと思うようなことをしたい」と考える若い世代の割合出典:『平成26年度版子ども・若者白書』 30~32ページ

 これは、現在の若い世代が、日本人として、社会や国に役立ちたいと大いに考えているが、どのように社会に関わり、変えていけるかがわからず、社会を変えていける機会や場所が見いだせていないということを示している。

 こんな中、参議院本会議で、6月13日に、憲法改正に必要な手続きを定める改正国民投票法が可決、成立した。これにより、国民投票ができる年齢が、現行の「20歳以上」から「18歳以上」に、4年後には引き下げられることになった。より若い世代が、政治に参加する機会が一つ増えることになる。

 ただ、これは、すべての選挙権年齢の引き下げを意味してはいない。

 同改正法と共に検討されていた選挙権年齢の18歳への引き下げは、同法の附則において、「速やかに検討を加え、必要な法制上の措置を講ずる」と記された。また、同改正法に賛成した8党は、2年以内の引き下げを目指して議論をするプロジェクトを設置することで合意している。

 これだけをみると、18歳への選挙権年齢引き下げは、順調に実現していきそうに思える。また、この年齢引き下げは、若い世代の政治への意思や政治参加の機会を広めるという意味では、大きな意味や役割がある。

 だが、各党にはさまざまな意見や思惑があり、そう簡単には進みそうにない。それは、2007年に成立した国民投票法の付則において、その施行日(2010年5月)までに選挙権年齢を18歳に引き下げることが明記されていたが、いまだにそれが実現されていないことからもわかる。

 このような現状において、当事者である若い世代が中心になって、新たな動きが始まった。

 それが、「Act 18(アクトエイティーン)」だ。様々な形で若者の「政治参加」などを求めてきた若者たちが開始した、「18歳選挙権の実現」を求めたキャンペーンである。

写真1:18日に開催された船田議員との議論の様子(『ACT18』提供)拡大【写真1】 6月18日に開催された船田元議員との議論の様子=提供・『ACT18』
 その中心は10代・20代の若者で、共同発起人は、斎木陽平(一般社団法人リビジョン代表理事、大学院生)、中嶋めぐ実(Teen’s Rights Movement、高校生)、町田彩夏(女子高校生未来会議、発起人、大学生)、青木大和(僕らの一歩が日本を変える。代表、大学生)、高橋亮平(NPO法人Rights代表理事)、安倍昭恵(総理夫人)である。

 そして、その「ACT18」が、6月18日、19日に、高校生や大学生、国会議員らと意見を交換した。

 18日は、制服姿の高校生や大学生約30名が参集し、自民党の船田元・憲法改正推進本部長と議論した。

 パネラーの1人で高校生の中嶋めぐ実さん(17歳)は、選挙権が引き下げられて、「2016年に、19歳でぜひ投票に行きたい。18歳で投票できるようになれば、学校で政治や選挙について話すことや学ぶことも増える」と、自分の思いを切々と訴えた。

 女子高校生未来会議を成功させた大学生の町田彩夏さんは、「体験することの大切さ」を訴えて、18歳が実際に投票することの必要性を主張した。また大学生の青木大和さんは、「18歳への引き下げが、新しい日本を造ることになる」と力説した。

 当事者である若い世代の意見を聞いて、船田議員は「責任は重大だ」と発言し、選挙権年齢引き下げの重要性や必要性を再認識したようだ。

写真2、3:国会議員らとのグループデイスカション拡大【写真3】 国会議員らとのグループデイスカション
 そして19日には、「Act18 第1回シンポジウム~若者×国会議員 18歳選挙権を実現しよう~」も開催した。

 同シンポは、50名を超える高校生や大学生が参加したが、「選挙権18歳引き下げには反対だった。だが、若い皆さんと色々な活動をする中で、考えが変わった」という共同発起人の安倍昭恵総理夫人の挨拶で始まった。

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筆者

鈴木崇弘

鈴木崇弘(すずき・たかひろ) 城西国際大学客員教授(政治学)

城西国際大学大学院国際アドミニストレーション研究科客員教授。1954年生まれ。東京大学法学部卒。マラヤ大学、イースト・ウエスト・センターやハワイ大学大学院等に留学。東京財団の設立に関わり、同財団研究事業部長、大阪大学特任教授、自民党の政策研究機関「シンクタンク2005・日本」の設立に関わり、同機関理事・事務局長などを経て現職。中央大学大学院公共政策研究科客員教授。著書に『日本に「民主主義」を起業する――自伝的シンクタンク論』『シチズン・リテラシー』『僕らの社会のつくり方――10代から見る憲法』など。

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