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奇怪な韓国の闇、民衆は達観する「愚政府・愚役人」

団藤保晴(ネットジャーナリスト)

 旅客船セウォル号沈没事故から百日を過ぎて韓国は官民挙げて立て直しを図るどころか、奇怪な闇に包まれている。

行き倒れホームレスとして処理

 犠牲者を大幅に増やした海洋警察の不手際に勝るとも劣らぬポカを検察と警察が演じてしまった。セウォル号運航会社で欲得ずくの改造や運航不正を仕切ったらしい実質オーナーの行方追及が国を挙げての課題だったのに、実は死んでいて行き倒れホームレスとして処理されていた。

 周辺も固めずに隠れ家の捜索に入った検察、隠し部屋からこっそり逃げ出した容疑者に山狩りさえされず、後に畑で見つかった死体は数十万円するブランド物ジャンパー姿だったのに警察は無視。こうした当局者の無能ぶりを、民衆は知り抜いて達観していると国際的な社会意識調査が示している。

 有力紙の社説は憤慨のトーンで溢れている。中央日報の《【社説】こんな検察・警察に税金を使わなければいけないのか=韓国》は《検察と警察の(容疑者)兪炳彦逮捕作戦過程を振り返ると、初動対処の問題でセウォル号事故の犠牲者の規模を膨らませた海洋警察の姿よりも情けない。まず、検察・警察の捜査協力が全くなかった》と断じている。

 《遺体がひどく腐敗していたが、遺体の周辺では兪炳彦のセモグループで生産される代表商品スクアレンの瓶が発見された。また、かばんの内側には兪炳彦の著書の題名「夢のような愛」という字が書かれていた。死亡した兪炳彦が着ていたジャンパーは数百万ウォンもするイタリアのブランド品だった。十分に兪炳彦である可能性を疑うほどの状況だったが、順天警察署は報告さえもしなかった》

 行き倒れ者のDNA鑑定は緊急扱いされず、国立科学捜査研究院は骨や歯を受け取ってから1カ月後に結果を出した。6月21日にセウォル号関係者とのDNA照合をした女性職員はあまりに想定外の結果に何度も繰り返し、ショック症状が今も尾を引いているという。報告を受けた幹部、直属の安全行政省も信じられない事態に騒然、困惑の有り様だった。

「開いた口がふさがらない」

 朝鮮日報の《【社説】驚きを禁じ得ない韓国警察・検察の無能ぶり》も当然の職務遂行が出来ない、あまりな体たらくに痛烈である。

 《開いた口がふさがらないとはまさにこのことだ。兪容疑者の遺体が発見される2日前の6月10日、検察と警察は韓国軍と安全行政省の関係者を呼んで対策会議を開いた。兪容疑者の密航を阻止するため、海軍の艦艇まで動員するなどまさに大騒ぎだった。13日には全国各地で町内会も開かれた。ここまで大々的に行方を追っていた兪容疑者はすでに遺体として発見されていたわけだが、その遺体が兪容疑者であることが確認されるまで42日も要したのだ。遺体が発見された場所は、5月25日に検察が兪容疑者を取り逃がした順天市のサービスエリアから2.5キロ離れた山の中の畑だ。警察は周辺に検問所を設置し、延べ8116人の警察官を動員して付近をくまなく探していた。捜索に当たっていた警察官たちが本当に使命感を持って真剣に職務を遂行していたのか疑問を感じざるを得ない》

 300人を超す犠牲者のただの1人も生きて救出されなかった4月の沈没事故。大統領の叱責やメディアによる非難は大変なものだった。海洋警察の解体や全国家的な再建が言われた。その事情を

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