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拉致調査、北朝鮮は日本世論に「心理戦」を仕掛け、失敗した

小北清人 朝日新聞湘南支局長

 日朝両政府の合意に基づき、北朝鮮当局が「北朝鮮国内にいるすべての日本人」の状況を調べるため立ち上げた「特別調査委員会」なる組織の最初の調査結果報告が、予定よりかなりずれ込む見通しになった。報告時期のメドはたっていないという。

 そうなる予兆はあった。

新潟西港に着岸した万景峰号=2005年6月拡大新潟西港に着岸した万景峰号=2005年6月
 北朝鮮に親族のいる在日朝鮮人によると、この夏、平壌では、こんな話が広まっていた。

 「北朝鮮にいる日本人妻とその家族、(日本の敗戦後に北朝鮮に取り残された)残留日本人らが近く、日本に里帰りするようだ。それだけではない。帰国事業で北に渡った在日出身者やその子孫らも希望すれば里帰りできるという。しかも彼らはみんな、万景峰(マンギョンボン)号に乗って日本に向かうのだという。万景峰号は万全の状態で出港を待っている」

 万景峰号は日本と北朝鮮との間を長く往来していた貨客船だ。

 乗船した朝鮮労働党幹部が日本入港後、朝鮮総連中枢幹部を船内に呼び出し、党の方針を「指導」する工作拠点だった。数年前から日本の経済制裁で日本の港に入港できなくなっている。北朝鮮はことあるたびに、この船の入港禁止を解くよう日本政府に要求してきた。

 その万景峰号に乗って、在日帰国者と日本人妻が日本に里帰りするというのである。

 しかも、訪朝者に対し、北朝鮮当局はそれを「日本で大いに ・・・ログインして読む
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筆者

小北清人

小北清人(こきた・きよひと) 朝日新聞湘南支局長

朝日新聞入社後、大阪社会部、AERA編集部などを経て現在、朝日新聞湘南支局長。92~93年、韓国に語学留学。97年、韓国統一省傘下の研究機関で客員研究員。朝鮮半島での取材歴多数。

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