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「リ☆パブリカンWho’s Who」キックオフ座談会(下)――リーダーの資質とは?

鈴木崇弘 城西国際大学客員教授(政治学)

 座談会の前回の続きを、紹介していきたいと思います。

[リーダーは教育できるか]
畠山 リーダーの資質は、学校で得られるものでしょうか。

鈴木 素質と経験ですかね。リーダーに必要なテクニックは、学校でも得られると思いますが。

服部 教える人がどういうきっかけをつくることができるかではないでしょうか。リーダーには、素養、意欲、経験が必要ですね。

鈴木 それは、「教えられる」ということとは意味が異なるのでは?

服部 狭い意味の学校教育ではありません。一人ひとりの能力を引き出す教育をするべきだと考えています。

徳田 私は少し違う考えをもっています。今、起こっている課題の原因が、教育のあり方にあるとすると、自分ではない誰かや、自分ではないシステムが変わる必要があるということになり、「こうなったらいいなあ」とか、「こうなるべきだ」という希望や規範の話で議論がストップしがちです。

 変えられるのは、今現在の私でしかないということが大切ではないかと思っています。これからの世代がこうあるべきだという議論よりも、今の私たちが、どのようなリーダーやフォロワーになっていくのかを考えていく方が建設的ではないかと思っています。

 また、ある程度、リーダーは、課題と出会ってしまうというか、偶発的に生まれるものであるということも大事な観点ではないかと思います。偶然的に課題と出会ってしまった人を、どのようにサポートしていくのか、あるいは言葉を変えれば、本当のリーダーにしていくのか、周辺の人々の行動やサポートの仕組みもとても大切になってくると思います。

服部 いろいろな考えがあっていいと思います。徳田さんのような方がでてきているわけですし、自分でやろうと思えるようにするのが教育だと思います。気づきを教えられることで、自分の問題だと考えられる人が確実に増えてきています。

[ロールモデルと新しい動きと方向性]
鈴木 以前は、大学を出て、就職し、企業や役所で頑張るというような人生モデルだった。でも、最近は、日本でもそのようなモデルが崩れてきています。そうしたなか、若い世代の人材が生まれています。そして、それらの人材が、他の若い世代のロールモデルになっている。これは、以前にはなかった状況です。私は、このようなロールモデルの存在や役割が重要だと思っています。

畠山 前職で米国の政治活動をしている若い女性(*)に会いました。オバマ大統領がまだ州議員の時に出会い、就職を投げ打って、オバマ事務所に入り、その後も政治活動を続けています。オバマ氏が、ある意味で、ロールモデルになったわけです。

鈴木 米国では、人的異動が容易ですからね。日本では、新卒で入社し、万一1年以内に辞めたら、二度と正規雇用の仕事は得られません。このような中で、多くの人がどうしていいかわからなくなっています。

 またオバマもいいですが、身近なロールモデルが重要なのではないでしょうか。身近であるから、自分の参考になり、自分のきっかけになるわけです。このような日本だからこそ、今回の企画で取材対象になる方々は、ロールモデルになるのではないかと思います。

 またこの対象者は、社会的にさまざまな変化を生み出している人材だけではなく、組織内においてイノベーティブな活動をしている人材も対象にしたいと思います。NPOや社会起業家も大切ですが、日本社会では企業がメインストリームなので、そこで頑張っている方も取り上げていきたいと考えています。

徳田 私は、所属する組織や法人格は、それほど重要ではないと考えています。

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筆者

鈴木崇弘

鈴木崇弘(すずき・たかひろ) 城西国際大学客員教授(政治学)

城西国際大学大学院国際アドミニストレーション研究科客員教授。1954年生まれ。東京大学法学部卒。マラヤ大学、イースト・ウエスト・センターやハワイ大学大学院等に留学。東京財団の設立に関わり、同財団研究事業部長、大阪大学特任教授、自民党の政策研究機関「シンクタンク2005・日本」の設立に関わり、同機関理事・事務局長などを経て現職。中央大学大学院公共政策研究科客員教授。著書に『日本に「民主主義」を起業する――自伝的シンクタンク論』『シチズン・リテラシー』『僕らの社会のつくり方――10代から見る憲法』など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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