2015年02月04日
安倍首相は2013年9月の国連総会演説で、日本の中東への関わりとして、ヨルダンの南部地域で、「女性の地位向上や家族計画」プロジェクトにマネジャーとして関わったJICA(国際協力機構)の佐藤都喜子さんの名前を挙げて取り上げた。
「女性の地位向上」や、子供の数を減らそうとする「家族計画」など、伝統的なイスラム世界の価値観には異論もあり、アラブ人の人口を減らし、アラブ世界を弱体化させる狙いではないかと批判されかねない。
その秘密はなぜかと考え、私はこのプロジェクトを現地で取材したことがある。
私が感じたのは、佐藤さんや、彼女のスタッフの熱意によるところは大きいが、大きな前提は、日本のプロジェクトだったからだということである。
アラブ世界、イスラム世界に対する植民地支配や軍事介入など、様々な過去の負の遺産を抱える欧米のプロジェクトであれば、いかに「人道主義」や「社会開発」を強調しても、決してアラブ・イスラム社会では受け入れられなかっただろう。
佐藤さんのプロジェクトが実施されたのは、くしくも、今回、「イスラム国」に拘束されたヨルダン人パイロットの出身地であるカラク県である。
山がちな貧しい地域であり、部族の伝統が根強く残る。
私は佐藤さんと一緒にカラク県を回り、何人もの参加した女性たちに会ったが、女性たちがほとんど表にでない地域で、私のような外国人ジャーナリストの質問に、堂々と答える女性たちの変化に驚いた。
女性たちは収入を得たことで、初めて夫と
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