台湾、香港、沖縄、南で起こる新たな動き
2015年02月09日
台湾の学生たちが2014年3~4月、馬英九・国民党政権の対中政策に対して異を唱え、台北の立法院(議会)を占拠した。支持者が激励のため、ひまわりを贈ったことで「太陽花学運(ひまわり運動)」と呼ばれるようになった。後知恵だが、この「ひまわり運動」が台湾政治の大転換の予兆だった。
2008年春に発足した馬英九・国民党政権は、前任の陳水扁・民進党政権が中国との対立をエスカレートさせたと批判し、中国側との関係改善を進めた。具体的には経済交流に邁進(まいしん)し、相互に飲食業や金融といったサービス市場まで開放する「サービス貿易協定」にも調印した。
中国との経済交流が必ずしも台湾住民の生活向上に結びついていないと感じていた学生たちは、このままだと台湾は中国にのみ込まれると、協定発効に反対して立法院を占拠するにいたった。
台湾の政治は、共産党との内戦に敗れ台湾に逃れた国民党と、国民党独裁に抵抗した人々がつくった独立志向の民進党が主要なプレーヤーだった。
それに台湾統一が悲願の共産党も台湾政治に陰に陽に介入してきた。それぞれの党旗の色から、台湾政治は「青」(国民党)、「緑」(民進党)、「赤」(共産党)の争いとたとえられてきた。
「ひまわり運動」は台湾の政治風土とは一線を画したものだった。「ひまわり」は黄色だが、学生たちは「無色透明」であるように努めた。「中国との統一」か「台湾の独立」という旧来型の政治とは距離を置き、「台湾の幸福」を座標軸に据えた。党派や外省人か本省人かという省籍とは別に、いま台湾に住んでいる人々の幸福を追求したのだった。
「ひまわり運動」のリーダー、林飛帆さんもその1人だ。
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