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人々は判決をどう受け止めたか

 2月12日、いわゆる「ナッツリターン事件」の第一審判決が出た。ソウル西部地方裁判所は航空保安法の航路変更罪などで有罪を認め、懲役1年(求刑3年)の実刑判決を下した。

 この日の韓国は、前日に起きた永宗大橋での交通事故が、ニュース番組等では大きく取り上げられていたものの、判決に対しての国民的関心は高く、公判の途中からニュース専門チャンネルは弁護士や解説者などのコメンテーターを交えて、判決の予想をしていた。

 保守系とリベラル系が好むチャンネルが分かれる韓国だが、今回の件に関してはリベラル系の反応が厳しかった。

 「もしかしたら裁判所は執行猶予をつけるのではないか」

 これは一般論での「予想」というよりは、それはあってはならぬという「警戒」のようだった。

 「でも、執行猶予はつくでしょう。いくらなんでも実刑ということは……」

 韓国駐在のベテランの日本人記者からもそんな意見を聞いたが、テレビなどに出演する法律関係者の意見を聞いている限り、それはちょっと甘いような気もしていた。メディアに登場する弁護士や評論家たちの意見は前回の公判以降、あきらかに厳しくなっていたからだ。

 結果は「懲役1年の実刑」。

 朝日新聞のソウル特派員は「執行猶予がつくとの見方があっただけに、判決が言い渡された後、取材していた記者の間では驚きの声が上がりました」とツイッターで残している。

 求刑の3年より短く、しかし執行猶予なしという意味では厳しい。

 これを韓国の人々はどう受け止めているのか? 

 判決直後、ネット上では、「1年じゃ足りない」などの厳しい意見が多かった。その後、会う人会う人、片っ端から意見を聞いてみたところ「可愛そうだけど、仕方がないね」「ゆっくり反省するにはちょうどいい時間だ」と概ね妥当という声が多かった。

財閥は反省すべき

 そのほとんどは、「いままで威張っていたのだから反省するべき」であり、法律的な議論はほとんど出てこない。唯一、外国エアーラインに勤務する韓国系客室乗務員からは客観的な意見が聞けた

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筆者

伊東順子

伊東順子(いとう・じゅんこ) フリーライター・翻訳業

愛知県豊橋市生まれ。1990年に渡韓。著書に『韓国 現地からの報告――セウォル号事件から文在寅政権まで』(ちくま新書)、『もう日本を気にしなくなった韓国人』(洋泉社新書y)、『ピビンバの国の女性たち』(講談社文庫)等。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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