メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

「報道ステーション事件」はメディア界の問題だ

安倍政権の「揺さぶり」にどう向き合うか

篠田博之  月刊『創』編集長

 テレビ朝日「報道ステーション」の関係者は、4月10日発売の月刊『文藝春秋』5月号を読んで、ホッと胸をなでおろしたかも知れない。その号の上杉隆さんの署名記事で古舘伊知郎さんの隠し取りテープの内容が公表されるという噂が業界を駆け巡っていたからだ。

 しかもその内容は、例えば『FLASH』4月21日号によれば、「『俺のバックには組がついているんだ』と発言したものもあるという。しかも古舘氏は具体的な反社会勢力や特定人物の個人名も挙げているといわれ、これが事実で、それが暴露されたらキャスター生命は終わりになってしまいます」というのだった。

「報道ステーション」キャスターの古舘伊知郎拡大「報道ステーション」キャスターの古舘伊知郎氏
 『週刊文春』4月9日号も同様の話を掲載しており、「報ステ」関係者は、そんなテープがあるはずがない、と確信しつつも、やはり戦々恐々としていたらしい。

 ところが実際に発売された『文藝春秋』で暴露されていた隠し取りテープの内容はといえば、こうだった。

 「これで俺の喋り手人生終わると思って勝負がかりで、最後の。平気で命落としたいと思ってるから。ヤクザ者と同じ感覚だから、この番組に対して。だから偉そうにものを言わせてもらう」

 2月25日の放送終了後の反省会で古舘さんがスタッフを前に啖呵を切った場面を隠し取りしたものだが、ヤクザ云々はたとえとして出て来るもので、古舘さんが「俺のバックには組がついているんだ」と言ったなどというのは、とんでもないガセネタだったわけだ。

 ただ、問題はそれで終わらない。古舘さんが怒鳴り声でぶち上げたその話を、いったい誰が何の目的で隠し取りしていたのか。関係者がやったとしか思えないその行為の狙いは何だったのか。それを考えると、たいした中身でなくて良かった、といって安心するにはいかない話なのである。

 関係者が古舘さんの発言を隠し取りしていた理由は幾つか考えられる。

 ひとつは、 ・・・ログインして読む
(残り:約3372文字/本文:約4149文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。
Journalismの記事も読めるのは全ジャンルパックだけ!