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 広島市の郊外、山間の住宅地のひっそりとした墓地に、堂々とした黒御影石の石碑が建つ。

「護憲」と大きく書かれた碑拡大「護憲」と大きく書かれた碑=撮影・筆者
 表には20センチ四方の大きな文字で黒く「護憲」と書かれ、しかも何があっても文字が消えることのないようにという意志を示すかのように、4センチも深く石に彫り込んである。

 後ろ側は日本国憲法9条の全文だ。

 自治体や団体による記念碑ではなく、個人が建てた「9条の碑」である。

 碑のそばには「栗原家」の墓石がそびえる。ここに眠る栗原貞子さんは、名高い「原爆詩人」だ。

 夫の唯一さんは社会党の県会議員だった。碑を建てたのは二人の長女の眞理子さんだ。今は眞理子さんも亡くなり、墓に入っている。

 貞子さんの代表作「生ましめんかな」は、原爆が落とされた日の壕の光景をうたった。

 負傷した被爆者たちがひしめく壕で、赤ん坊が生まれそうになった。「私が産ませましょう」と声をあげたのは、重傷を負った

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筆者

伊藤千尋

伊藤千尋(いとう・ちひろ) 国際ジャーナリスト

1949年、山口県生まれ、東大法学部卒。学生時代にキューバでサトウキビ刈り国際ボランティア、東大「ジプシー」調査探検隊長として東欧を現地調査。74年、朝日新聞に入社し長崎支局、東京本社外報部など経てサンパウロ支局長(中南米特派員)、バルセロナ支局長(欧州特派員)、ロサンゼルス支局長(米州特派員)を歴任、be編集部を最後に2014年9月、退職しフリー・ジャーナリストに。NGO「コスタリカ平和の会」共同代表。主著に『凛凛チャップリン』『凛としたアジア』『凛とした小国』『9条を活かす日本―15%が社会を変える』(以上、新日本出版社)、『世界を変えた勇気―自由と抵抗51の物語』(あおぞら書房)、『13歳からのジャーナリスト』(かもがわ出版)、『地球を活かす―市民が創る自然エネルギー』(シネフロント社)、『反米大陸』(集英社新書)、『燃える中南米』(岩波新書)など。

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