2015年05月11日
広島市の郊外、山間の住宅地のひっそりとした墓地に、堂々とした黒御影石の石碑が建つ。
後ろ側は日本国憲法9条の全文だ。
自治体や団体による記念碑ではなく、個人が建てた「9条の碑」である。
碑のそばには「栗原家」の墓石がそびえる。ここに眠る栗原貞子さんは、名高い「原爆詩人」だ。
夫の唯一さんは社会党の県会議員だった。碑を建てたのは二人の長女の眞理子さんだ。今は眞理子さんも亡くなり、墓に入っている。
貞子さんの代表作「生ましめんかな」は、原爆が落とされた日の壕の光景をうたった。
負傷した被爆者たちがひしめく壕で、赤ん坊が生まれそうになった。「私が産ませましょう」と声をあげたのは、重傷を負った
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