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[2]北欧のエコな街造りに学ぶ

家庭ゴミで埋め立て地に運ばれるのは1%

伊藤千尋 国際ジャーナリスト

 ポーランドのグダンスクのあと、船はスウェーデンの首都ストックホルムに寄港した。ここで私は「スウェーデンに学ぶエコ・ライフスタイル」というツアーに参加した。

ストックホルムのハマビー・ショースタッド地区.拡大ストックホルムのハマビー・ショースタッド地区=撮影・筆者
拡大ストックホルムの街角の石垣にはバイキング時代の文字を刻んだ石が使われていた=撮影・筆者

 首都の一角にハマビー・ショースタッドという地区がある。1998年までは町工場が集まり重金属などで土壌が汚染されていたが、今は環境に優しい近代的なエコシティに生まれ変わった。

 きっかけはストックホルムが2004年のオリンピックの開催地に名乗りを上げたことだ。この地区をエコな選手村にしようというアイデアが生まれた。オリンピックの開催には至らなかったが、エコシティにするという計画は進んだ。

 環境への負荷を半減して持続可能な街造りを掲げた。「すでに環境負荷を30~40%減らした。世界で初めて大規模なエコシティをつくりあげた」と環境センターのエーリックさんは胸を張る。

 現地はさながら「水の都」だ。湖に面して遊歩道や親水公園があり、周囲に瀟洒なマンションが建ち並ぶ。今や1万2000のマンションに2万8000人が住む。

バキュームでゴミを吸い込むシステム。緑色は生ゴミ用だ拡大バキュームでゴミを吸い込むシステム。緑色は生ゴミ用だ=撮影・筆者
 マンションにはゴミの置き場がない。必要ないのだ。
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筆者

伊藤千尋

伊藤千尋(いとう・ちひろ) 国際ジャーナリスト

1949年、山口県生まれ、東大法学部卒。学生時代にキューバでサトウキビ刈り国際ボランティア、東大「ジプシー」調査探検隊長として東欧を現地調査。74年、朝日新聞に入社し長崎支局、東京本社外報部など経てサンパウロ支局長(中南米特派員)、バルセロナ1949年、山口県生まれ、東大法学部卒。学生時代にキューバでサトウキビ刈り国際ボランティア、東大「ジプシー」調査探検隊長として東欧を現地調査。74年、朝日新聞に入社し長崎支局、東京本社外報部など経てサンパウロ支局長(中南米特派員)、バルセロナ支局長(欧州特派員)、ロサンゼルス支局長(米州特派員)を歴任、be編集部を最後に2014年9月、退職しフリー・ジャーナリストに。NGO「コスタリカ平和の会」共同代表。「九条の会」世話人。主著に『心の歌よ!』(シリーズⅠ~Ⅲ)『連帯の時代-コロナ禍と格差社会からの再生』『凛凛チャップリン』『凛とした小国』(以上、新日本出版社)、『世界を変えた勇気―自由と抵抗51の物語』(あおぞら書房)、『13歳からのジャーナリスト』(かもがわ出版)、『反米大陸』(集英社新書)、『燃える中南米』(岩波新書)など。公式HPはhttps://www.itochihiro.com/

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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