アムネスティ・インターナショナルが求める「心からの謝罪」とは
2015年08月15日
戦後70年の談話の中で、安倍晋三首相は、歴史認識について、おわびの気持ちを表明した歴代内閣の談話を引き継ぎ、「慰安婦問題」についても、直接言及せずとも、女性の尊厳や名誉が傷ついたことについて触れたことは、一定の評価ができる。
アムネスティ・インターナショナルが求める「心からの謝罪」とは、彼女たちが被った損害を公に認めると共に、法的・道義的責任を全面的に受け入れ、同時に生存者に全面的に謝罪し、国際基準にかなった、十分かつ中身のある補償をすることである。
河野談話では、軍が関与する戦時の「慰安所」の存在を認め、政府が「歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい」と表明したが、全面的に責任を認め、被害者に無条件で謝罪するまでには至らなかった。
70年談話に関する有識者会議「21世紀構想懇談会」が8月初旬に提出した報告書は、第二次世界大戦前と大戦中に日本が武力侵略を行ったことを認めた。しかし、安倍首相が性奴隷制度に対する全面的な謝罪を表明すべきかどうかの点には触れなかった。
心からの謝罪ですべてが解決するわけではない。しかし日本がようやく戦争犯罪と人道に対する罪を認めれば、人生を破壊された女性たちに正義を果たす上で、画期的な前進になったであろう。被害者のひとりは、アムネスティ・インターナショナルに「日本政府が謝罪するのを見届けるまで100歳まででも生きる」と語っていた。
安倍首相が全面的な謝罪をしないということは、
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