池澤夏樹×白井聡
いけざわ・なつき 1945年、北海道生まれ。88年に「スティル・ライフ」で芥川賞。2010年度の朝日賞。小説のほか、本紙の連載「終わりと始まり」などの評論や文学全集の編集でも活躍。
しらい・さとし 1977年、東京生まれ。京都精華大専任講師。専門は政治学・社会思想。話題を呼んだ著書「永続敗戦論」を原作にした「マンガでわかる永続敗戦論」が7月に出版された。
※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです
朝日新聞 関西スクエア 中之島クロストーク
政治学者の白井聡さんがホスト役を務める対談・対論イベント「第3回 関西スクエア 中之島クロストーク」(朝日新聞社主催)が8月7日、大阪市北区の中之島フェスティバルタワーであった。ゲストに作家の池澤夏樹さんを迎え、戦後70年や核と原発、日本人の国民性について語りあった。
終戦直前に生まれた池澤さんは「戦後70年はわが人生」と前置きし、「情けない負け方をしたが、責任の追及がなかったことで戦争観をこじらせた」「様々な神話に縛られていたが、ほどけて実態が見えてくると、惨憺(さんたん)たるもの」と話した。
その「神話」について、白井さんは民主主義国家、平和憲法、非核三原則を挙げ、「これらの命題は本当はうそであることは今や明らか」と断じた。
戦争を指導した勢力が戦後も保守勢力の支配者として居座ってこれらの命題を骨抜きにしようとしたと批判する一方、リベラル・左派についても
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