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国民連合政府を超えた平成「維新」の実現を(下)

立憲連合という正義の戦略

小林正弥 千葉大学大学院社会科学研究院教授(政治学)

新・民主党と維新――立憲党ないし憲政党への再生

 多くの人びとが野党の結集を願っているにもかかわらず、民主党が共産党の「国民連合政府」案に賛成していないので、結集はまだ実現していない。この実現のためには国民連合政府案を超えた大連合構想が必要だろう。立憲主義的結集はどのようにすれば実現できるだろうか。

民主党の岡田克也代表拡大民主党は低落傾向の「流れ」を変えられるか
 民主党の支持率はあいかわらず低迷しているので、若手の民主党議員からは解党を求める声すらあがっている。

 だから民主党は真剣に反省し、根本的再生を目指す必要がある。理念を抜本的に再確立して、いわば「新・民主党」へと生まれ変わらなければいけないのである。

 その理念の中軸に「立憲主義」と「民主主義」を加えることを提案したい。

 今までは自民党も立憲主義は尊重していたから、これは対立軸にはなりえなかった。ところが安保法「採決」によってこれを自民党が侵犯したので、立憲主義が与野党の最大の対立軸になったのである。

 たとえば戦前の「立憲政友会」「立憲民政党」にならって「立憲民主党」と改名したらどうだろうか。憲政の回復を目指すという意味で、戦前の「憲政会」にならって「民主憲政党」という名称もいいかもしれない。

 「維新の党」と民主党は野党結集を目指して政策と選挙の協議を開始した(9月30日)。その後に「維新の党」は完全に分裂したが、この混乱が収まった後で両党は両院で統一会派を結成することを検討しているという(毎日新聞、10月26日)。もしかしたら新党へと進むことも可能かもしれない。この時に立憲主義や憲政擁護こそ、両党が一致する中心的理念になるべきだろう。 

 明治「維新」の後で藩閥政府に対して議会が成立し、専制政府に対して憲政擁護運動が起きた。橋下徹氏ら「おおさか維新の会」は「平成の専制政府」に親近感を持ちそれに加担しかねないので、それ以外の「維新の党」は憲政擁護運動に加わってまさに平成「維新」の担い手となるべきだろう。

 現に松野頼久代表は野党の大きな結集を唱えている。民主党と「維新の党」では政策的な差があるが、実は民主党内部でも同じような差があるから、「立憲主義」を中心的理念とすれば新党の結成も不可能とは言えないだろう。

 明治維新そのものを考えてみればわかるように、ダイナミックな歴史的展開の中で政策的主張が変わっていくことは不思議ではない。

 こうして民主党と「維新の党」とが合流できれば、その新党は、 ・・・ログインして読む
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筆者

小林正弥

小林正弥(こばやし・まさや) 千葉大学大学院社会科学研究院教授(政治学)

1963年生まれ。東京大学法学部卒業。2006年より千葉大学大学院人文社会科学研究科教授。千葉大学公共研究センター共同代表(公共哲学センター長、地球環境福祉研究センター長)。専門は、政治哲学、公共哲学、比較政治。マイケル・サンデル教授と交流が深く、「ハーバード白熱教室」では解説も務める。著書に『対話型講義 原発と正義』(光文社新書)、『日本版白熱教室 サンデルにならって正義を考えよう(文春新書)、『サンデル教授の対話術』(サンデル氏と共著、NHK出版)、『サンデルの政治哲学 〈正義〉とは何か』(平凡社新書)、『友愛革命は可能か――公共哲学から考える』(平凡社新書)、『人生も仕事も変える「対話力」――日本人に闘うディベートはいらない』(講談社+α新書)、『神社と政治』(角川新書)など多数。共訳書に『ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業』(ハヤカワ文庫)など。

 

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