朝日新聞 関西スクエア 中之島クロストーク
2015年11月09日
政治学者の白井聡(さとし)さんがホスト役を務める対談・対論イベント「第4回 関西スクエア 中之島クロストーク」(朝日新聞社主催)が10月15日、大阪市北区の中之島フェスティバルタワーであった。ゲストに「琉球独立論」を唱える龍谷大教授の松島泰勝さんを迎え、米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古への移転問題や“独立”の現実性などを語り合った。
松島さんは、沖縄県の翁長雄志(たけし)知事が9月の国連演説で「沖縄の人々は自己決定権をないがしろにされている」と発言したことに触れ、「自己決定権は国際法上、重要な言葉。独立までを含めて我々は決定権を持っているのだと」「(米軍基地の辺野古移設やオスプレイ配備など)選挙や議会の決議といった民主主義的な方法でも無視される。ならば残された道は独立」と指摘した。
松島さんによると、独立論や独立運動は、少なくとも明治政府が琉球王国を廃した「琉球処分」の1870年代から始まった。「琉球国王府の家臣たちは東京や中国・清に亡命し、琉球国復活、復興運動をした。沖縄戦後も独立派政党ができ、連続的に独立運動は続いてきた」
白井さんは、松島さんの昨年(2014年)の著書『琉球独立論』について「絵空事と言われてきた独立を現実的なプログラムとして可能だと提示されたことに驚きがあった」と紹介した。
松島さんによると、本土復帰前、米軍基地には最大6万4千人の「琉球人」が働いていたが、今は9千人。基地関連収入は県民総所得の5%であるうえ、これまでに返還された土地を活用したところ数十倍の経済効果があったという。「経済的に基地依存体質というのは過去の話。産業界でも『早く返せ』という人が増えている」
松島さんは人口2万人の独立国パラオやグアムの日本総領事館で働き、昨年(2014年)のスコットランドの独立を問う住民投票を調査した。「独立論は『ええっ』と思われるかもしれないが、
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