伊東順子(いとう・じゅんこ) フリーライター・翻訳業
愛知県豊橋市生まれ。1990年に渡韓。著書に『韓国カルチャー──隣人の素顔と現在』(集英社新書)、『韓国 現地からの報告──セウォル号事件から文在寅政権まで』(ちくま新書)など、訳書に『搾取都市、ソウル──韓国最底辺住宅街の人びと』(イ・ヘミ著、筑摩書房)。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
パリの同時多発テロ事件から25日が過ぎた(本稿執筆時)。事件後さらに難民をめぐる環境は悪くなっている。
あの日は早朝(現地パリでは夜)に九州地方で地震があり、NHKワールド放送は直後からそのニュースを報じていた。
九州で地震があれば、韓国南部にも津波の影響があるかもしれない。そう思って、テレビのチャンネルを回して、びっくりした。
前にも書いた通り、韓国ではほとんどの家庭がケーブルテレビを入れており、うちでもNHKとともに他の海外主要放送が見られる。BBCもCNNもユーロニュースも同じ中継画面、パリのテロ現場を映している。しばらくして韓国のYTNもパリに張り付いた。NHKだけは普段と変わらぬ朝の番組だった。
ツイッターなどでは、「日本のマスコミは何やっているんだ」という批判も出ていたが、NHKはニュース専門チャンネルではないから比べるのも酷だろう。
日本でもネット上では通信社や新聞社が現地発の記事やツイートをこまめに発信していた。
一方、韓国ではその日、11月14日の午後にはソウル市中心部で大きなデモがあり、機動隊とデモ隊の双方に負傷者が出た。
うちデモ隊の1人は重体と
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