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米国政治の「断裂」と共和党の保守化を読み解く

書評 西川賢『分極化するアメリカとその起源――共和党中道路線の盛衰』

櫻田淳 東洋学園大学教授

 二〇一六年は、米国大統領選挙の行方に世界中の耳目が集まることになる。

 民主党ではヒラリー・R・クリントンが候補指名を得るであろうというのは、既に大方の見方となっているけれども、候補が乱立する共和党における候補指名の行方を展望するのは、決して容易ではない。しかも、ドナルド・トランプという「異形の候補」までもが登場している。

共和党のドナルド・トランプ氏=ロイタードナルド・トランプ氏は共和党の「正統」なのか「異端」なのか=ロイター
 「民主党がリベラル化する以上に、共和党が保守化している」現状に鑑みるに、共和党の動向は、米国政治・社会全般への影響からも注視せざるを得ないであろう。

 本書『分極化するアメリカとその起源――共和党中道路線の盛衰』(西川賢著、千倉書房)は、「共和党の保守化」に焦点を当てながら、米国政治における「断裂」を検証した書である。

 本書のキー・ワードは、「政党の大統領化」である。

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