櫻田淳(さくらだ・じゅん) 東洋学園大学教授
1965年宮城県生まれ。北海道大法学部卒、東京大大学院法学政治学研究科修士課程修了。衆議院議員政策担当秘書などを経て現職。専門は国際政治学、安全保障。1996年第1回読売論壇新人賞・最優秀賞受賞。2001年第1回正論新風賞受賞。著書に『国家への意志』(中公叢書)、『「常識」としての保守主義』(新潮新書)など。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
書評 西川賢『分極化するアメリカとその起源――共和党中道路線の盛衰』
二〇一六年は、米国大統領選挙の行方に世界中の耳目が集まることになる。
民主党ではヒラリー・R・クリントンが候補指名を得るであろうというのは、既に大方の見方となっているけれども、候補が乱立する共和党における候補指名の行方を展望するのは、決して容易ではない。しかも、ドナルド・トランプという「異形の候補」までもが登場している。
「民主党がリベラル化する以上に、共和党が保守化している」現状に鑑みるに、共和党の動向は、米国政治・社会全般への影響からも注視せざるを得ないであろう。
本書『分極化するアメリカとその起源――共和党中道路線の盛衰』(西川賢著、千倉書房)は、「共和党の保守化」に焦点を当てながら、米国政治における「断裂」を検証した書である。
本書のキー・ワードは、「政党の大統領化」である。