悲劇の陰で肥大するISに米欧はどう対処する?
2016年01月14日
「イスラム国(IS)」の問題はシリア内戦の一部ではあるが、欧米や日本にとっては、IS絡みで起こるテロが大きな関心事である。
今年も1月7日、リビア東部の警察訓練センターに爆弾を積んだトラックが突っ込み65人が死んだテロ事件で、ISが犯行声明を出した。
欧米は、2015年11月のパリ同時多発テロ事件の後、新たなテロ発生が起こるのではないかと戦々恐々としている。
世界の関心はシリア停戦やシリア和平の行方よりも、ISに注がれている。
この原稿の(上)で書いたように、2015年の反体制派地域で、民間人の死者1万6425人のうち、その8割の死者は、政権軍の空爆や砲撃などの攻撃と、ロシア軍の空爆によるものであり、ISによる死者は9%に過ぎない。
16年、シリア内戦と「イスラム国」の行方(上)――アサド政権軍とロシア軍の攻撃を停止させなければ、悲劇は終わらない(WEBRONZA)
それにもかかわらず、欧米はアサド政権やロシア軍の攻撃を止めようと真剣になっているようには見えない。
ISはイラク戦争以来、争いの陰で肥大してきた。それも戦争で痛めつけられるスンニ派の怒りを吸収するように大きくなってきた。
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