伊東順子(いとう・じゅんこ) フリーライター・翻訳業
愛知県豊橋市生まれ。1990年に渡韓。著書に『韓国カルチャー──隣人の素顔と現在』(集英社新書)、『韓国 現地からの報告──セウォル号事件から文在寅政権まで』(ちくま新書)など、訳書に『搾取都市、ソウル──韓国最底辺住宅街の人びと』(イ・ヘミ著、筑摩書房)。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
先日、ソウルはこの冬の最低気温、氷点下18度を記録した。
そのぐらいになると、夜間も水道の水を細く出しておく。北国の常識だろうが、うっかりすることもある。
朝起きたら水道管が凍って水が出ない、室内が寒いと思ったら、オンドル用のボイラーが破裂して、飛び散った水がそのまま氷柱になっていた、とかあちこちから「悲報」が届く。
私自身も、その日、立ち寄った「バーガーキング」で、「今日は暖かい飲み物ができない」と言われた。
「給水管が凍ってしまったんです。コーラでもいいですか?」
だめでしょう、それ。
住んでみないとわからない、その土地の事情がある。
日韓関係もまた同じで、その意味で昨今の日本メディアの興奮ぶりは、現地からみるとかなり異様だ。
メディアにはそれぞれ「好みの韓国」があるのだろうが、いくらなんでも盛りすぎ。なかでも現地在住者が困惑するのは、「反日感情」の部分である。
「韓国で暮らして大丈夫? みんな反日で怖くない?」
「子供たちは大丈夫? 韓国の学校でいじめられていない?」
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