共和党も組織的打撃を受けるとの悲観論も
2016年02月16日
米大統領選挙予備選の序盤。
アイオワ、ニューハンプシャー両州の2戦を終えて、依然混迷状態を続ける共和党。これに対して、民主党は本命のクリントン前国務長官(68)が当面の苦戦にもかかわらず、全米では「依然優位」とみるメディアが多い。
共和党だけでなく、民主党も「危険な時」(ワシントン・ポスト紙コラムニスト、ルース・マーカス氏)を迎えているのが現実だ。
今後の選挙戦を正確に展望するためにも、米政治潮流の構造的変化を徹底分析しておきたい。
米政治は大まかに見て、保守とリベラルの両極分化が進行している。
民間調査機関ピュー・リサーチ・センターの各種調査がその動向を的確にとらえている。民主党はリベラル化、共和党は保守化の傾向が強まり、両党とも中道派が後退した。
それによると、米国民の党派別支持率は昨年(2015年)、民主党40.1%、共和党30.4%、無党派23.7%。
民主党支持のうち自らを「中道派」とする人は2000年の45%から38%に減少したのに対して、その間「リベラル」は27%から42%に増えた。
共和党も、例えば「家族計画に反対」は中道派が28%に対して、保守派は69%と圧倒的で、保守化の傾向が強まっている。
昨年9月、中道派のベイナー前下院議長が突然辞任したのは、予算審議で保守派議員に突き上げられて立ち往生したのが理由だった。
保守派には、地球温暖化の事実も認めないほど頑迷な人たちも増えている。
共和党は1990年代は「キリスト教右派」、2001年の米中枢同時多発テロ以後は「新保守主義(ネオコン)」、2008年のリーマンショック後は「ティーパーティ」が党を動かし、党のアイデンティティーが大きく動揺、中道派が後退した。
両党の支持者は今回の大統領選挙をどうみているか。
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