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 ミャンマー(ビルマ)は4月11日から20日まで、1年で最も晴れやかな「水かけ祭り」でにぎわう。いわゆる旧正月に当たり、街を通る人々に水をかけあい、前年の穢れを水で清めて新たな年を迎える。

 今年はただの新年ではなく、歴史的な民主化の時代を迎える喜びも加わった。アウンサンスーチーさんが率いる国民民主連盟(NLD)の文民政権が4月1日、正式に発足した。私は直前の3月末に6日間訪れ、軍政の国から民主主義の国に生まれ変わる姿を見た。

夕方の仕事帰りにシュエダゴンパゴダで祈る人々拡大夕方の仕事帰りにシュエダゴン・パゴダで祈る人々 撮影・筆者
 この国は今、一年で最も暑い盛りだ。乾季と雨季の間の今、3月から5月中旬までは特別に「暑期」と言う名で呼ばれる。

 ヤンゴンの昼過ぎの街角の気温は41度だった。乾いているので蒸し暑くは感じないが、日差しは強烈だ。市場では店員がぐったりして昼寝をしている。

 交差点の真ん中にパゴダがそびえる中心部の市役所前では、水かけ祭りのための施設を設営中だった。

強い信仰心

 午前中はえんじ色の袈裟を身につけた僧侶が黒い鉢を抱えて托鉢する姿があちこちで見られる。

 この国の男性は、人生で少なくとも一度は得度して僧侶になる。一般市民でさえ殺生や飲酒をしないなどの五戒を守る(はずの)この国では、出家すると227もの戒律を守らなければならない。正午以降は食事しない。金銭を持たないし、音楽や芸能を鑑賞することもない。

 日本でミャンマーといえば竹山道雄の小説『ビルマの竪琴』が何度も映画化されたが、実際のミャンマーでは僧侶が ・・・ログインして読む
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筆者

伊藤千尋

伊藤千尋(いとう・ちひろ) フリー・ジャーナリスト

1949年、山口県生まれ、東大法学部卒。学生時代にキューバでサトウキビ刈り国際ボランティア、東大「ジプシー」調査探検隊長として東欧を現地調査。74年、朝日新聞に入社し長崎支局、東京本社外報部など経てサンパウロ支局長(中南米特派員)、バルセロナ支局長(欧州特派員)、ロサンゼルス支局長(米州特派員)を歴任、be編集部を最後に2014年9月、退職しフリー・ジャーナリストに。NGO「コスタリカ平和の会」共同代表。著書に『地球を活かすー市民が創る自然エネルギー』『活憲の時代』『変革の時代』『ゲバラの夢、熱き中南米』(以上、シネフロント社)、『一人の声が世界を変えた』『辺境を旅ゆけば日本が見えた』(以上、新日本出版社)、『世界一周 元気な市民力』(大月書店)、『反米大陸』(集英社新書)、『観光コースでないベトナム』(高文研)、『闘う新聞ーハンギョレの12年』(岩波ブックレット)、『燃える中南米』(岩波新書)など。

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