アラビア半島での平和の種をまくことは、東アジアでの「優位」につながる
2016年04月15日
4月18日からイエメン和平協議がクウェートで開催される。これに先行して、4月10日から一時停戦が発効した。初めの数日間までのところでは、散発的な衝突が報じられているものの、停戦はおおむね守られている。
この間、少なくとも6408人(子ども930人を含む)が殺害され、3万139人が負傷した。また、イエメン総人口のうち82%が人道支援を必要とする状況にある。これらは国連の統計に拠った。
その国連の安保理において、対イエメン制裁委員会の議長国を務めるのは日本だ。これは現在進行形の国際問題における我が国の重責ではないだろうか。
イエメン共和国は2011年の「アラブの春」で政権が交代した国のひとつだ。そこで退陣したサーレハ前大統領とホーシー派と呼ばれるイエメンの武装勢力らに対して、国連は制裁を科している。
前大統領とホーシー派の連合は、「アラブの春」以降に新体制づくりを進めてきた移行政権を崩壊させた。
追い出された移行政権のハーディー大統領からの要請を受けて、サウジアラビアは空爆に踏み切った。
国際社会はハーディー大統領をイエメンの正当な元首と認めて支持している。ただ、この大統領は、2年間というもともとの任期が切れてしまい(2012年2月から2014年2月)、移行プロセスの残りを終えるために延長した1年間の期限も、イエメン情勢が混乱する中でうやむやになってしまったため、いつまでが任期なのか不明のまま在職している。
そして、イエメン混乱の背後にイランの影響力をみてとるサウジアラビアが軍事介入をした。政治的混乱が本格的な軍事衝突に変わる。混乱の中でアル=カーイダや「イスラム国」を名乗る集団が拡大した。
今後に予定されている和平協議のポイントは
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