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[6]韓流観光の教訓――日本人女性のリベンジ

韓国人は日本人観光客をどうみていたか?

伊東順子 フリーライター・翻訳業

「最下層の労働者」と「新版女子挺身隊」

 「主にキーセン観光を楽しみに来る日本人は、自分の国では最下層の労働者です。彼らが我が国に来てキーセンパーティーをし、二泊三日の旅行をして必要な金は、日本でかかる費用の5分の1しかかからないんです」(済州島の料亭の人)

 「この人たちの程度はひとくちで言って、自分の国ではホテルというところに出入りしたことのない人が大勢いる。例をあげると、エレベーターの動かし方を知らないかと思えば、洗面所の洗面設備の使い方も知らないのでいちいち教えてやり、寝間着姿で廊下をうろついたり、廊下を靴を脱いで裸足で歩く」(釜山のホテル従業員)

韓国でのキーセン観光に抗議し、羽田空港でソウル行きの旅行客にビラを配る「キーセン観光に反対する女たちの会」の会員たち 1973年韓国でのキーセン観光に抗議し、羽田空港でソウル行きの旅行客にビラを配る「キーセン観光に反対する女たちの会」の会員たち 1973年拡大キーセン観光に抗議し、羽田空港でソウル行きの旅行客にビラを配る「キーセン観光に反対する女たちの会」の会員たち=1973年
 これは前回も紹介した『キーセン観光実態報告書』(韓国教会女性連合会編・山口明子訳、NCCキリスト教アジア資料センター、1984年)の中で紹介されている聞き取り調査の内容だ。

 『報告書』では上記証言の後に、「こうした下層労働者や農民たちで構成された日本人観光客」という文章が続いている。

 労働者や農民という階層表現には一瞬ギョッとするが、その後の「農協の農民や工場のボーナス・ツアー」という文章を読むと合点が行く。つまり「慰安旅行」のことなのだ。

 本来は社員や組合員相互の親睦を深めるための団体旅行だが、男性のみの場合は旅先の風俗店で遊ぶという定番のスタイルがあった。

 過去にはそちらで名をはせた国内の温泉地も少なくないが、それを海外である韓国でも、そのまま実行したというわけだ。

 それにしても、日本で「慰安」という言葉の使われ方は ・・・ログインして読む
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筆者

伊東順子

伊東順子(いとう・じゅんこ) フリーライター・翻訳業

愛知県豊橋市生まれ。1990年に渡韓。著書に『もう日本を気にしなくなった韓国人』(洋泉社新書y)、『ピビンバの国の女性たち』(講談社文庫)等。

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