2016年05月18日
ハバナの街のあちこちに家庭菜園のようなものを見かける。道路ぎわの空き地をブロックで仕切って作った小さな畑も目につく。キューバの食糧事情がよくなった背景には、こうした市民レベルでの農業の広がりがある。それも無農薬の有機農業だ。
今やキューバの有機農業は世界に名高い。有機農業では世界の先進国と言われるまでになった。
それが変化したのは政治的な理由だ。ソ連・東欧の社会主義の崩壊である。
1989年にベルリンの壁が崩壊し東欧の社会主義政権が次々に倒れた。1991年にはソ連が崩壊した。ソ連・東欧からキューバへの援助や輸入の食糧が入らなくなった。このため食糧の自給が急務になった。
人々は自宅の庭で小さな菜園を営むようになった。化学肥料も手に入らなくなったので有機農業が広がった。政府が人々に有機農業の技術を教えた。最初はやむを得ない事情だったのだ。
その後、農業の自営が奨励されるようになり、公務員をやめて農民になる人が増えた。今やキューバ全土の耕作地の8割以上が無農薬の農業をしている。
首都ハバナの住宅地アタベイ地区に模範的な有機農園がある。新潟県出身の日本人が
有料会員の方はログインページに進み、朝日新聞デジタルのIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞デジタルの言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください