「台湾は中国ではなく台湾」という民意と両岸関係
2016年05月24日
台湾の総統に5月20日、民進党の蔡英文氏が就任した。当時国民党だった李登輝氏が1996年に初の直接選挙で当選してから、民進党の陳水扁氏、そして国民党の馬英九氏が総統を務めてきた。
一方で、世界が注目するのは、蔡政権になって、台湾海峡両岸関係がどうなるかだ。
中国が台湾に向けて弾道ミサイル演習をしたり、米国が空母を派遣したりと、緊迫したこともある両岸関係が安定したのは、馬政権になってからのことだ。
湖南省出身の父を持つ馬英九氏は香港で生まれ、台湾で育った。
「新台湾人」を名乗ったこともあったが、中国人としての意識は強く、若いころには、台湾で「釣魚台」と呼ばれる尖閣諸島を取り戻そうという「保釣」運動に深く関わった。
総統になってからも「釣魚台は日本が盗んだもの」と発言するなど、民族意識の強さは変わらなかった。
だから、日本では馬氏を「反日」と見る人が少なくない。筆者は李、陳、馬、そして蔡の4氏に何度か会ったことがある。
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