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[8]タイムスリップしたような地方の魅力

伊藤千尋 国際ジャーナリスト

 首都ハバナの旧市街は、石畳や石造りの旧スペイン植民地風の建築が並ぶ。それもいいが、地方の町に行けば、街そのものが200年前にタイムスリップしたような気配だ。

 ハバナから南東に3時間半、車で走るとシエンフエゴスの街だ。スペインの植民地だったキューバには珍しく、フランスからの移民が建設した町である。中心部の広場に面して劇場や石造りの建物がそびえる。いかにもフランス風の造りだ。

 街は「南の真珠」と呼ばれ、旧市街はユネスコの世界遺産に登録されている。キューバで最も清潔な街と言われる。

 確かにゴミが落ちていない。スペインから来た支配者たちは好き勝手に荒らしたが、フランスからの移民は自分たちが住むだけに、こぎれいにしようと努め、それが慣習化したのだろう。

カリブ海の朝焼け=トリニダー近郊で拡大カリブ海の朝焼け=トリニダー近郊で 撮影・筆者
 広場のベンチでは市民がくつろぐ。若者はスマホで会話し、お年寄りは日傘を手にくつろぐ。元気のいいおじいさんがギターを手に歌っている。

 石畳の通りの両側の建物は白壁で統一されていた。手押し車に乗せたパイナップル売りに人だかりがしている。

カリブ海の朝焼け

 ここから東へ2時間走るとキューバの南部、カリブ海に到達した。

 海辺には、観光を国の主産業にしようとした政府の意図で新しいリゾートホテルが造られている。

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筆者

伊藤千尋

伊藤千尋(いとう・ちひろ) 国際ジャーナリスト

1949年、山口県生まれ、東大法学部卒。学生時代にキューバでサトウキビ刈り国際ボランティア、東大「ジプシー」調査探検隊長として東欧を現地調査。74年、朝日新聞に入社し長崎支局、東京本社外報部など経てサンパウロ支局長(中南米特派員)、バルセロナ支局長(欧州特派員)、ロサンゼルス支局長(米州特派員)を歴任、be編集部を最後に2014年9月、退職しフリー・ジャーナリストに。NGO「コスタリカ平和の会」共同代表。主著に『凛凛チャップリン』『凛としたアジア』『凛とした小国』『9条を活かす日本―15%が社会を変える』(以上、新日本出版社)、『世界を変えた勇気―自由と抵抗51の物語』(あおぞら書房)、『13歳からのジャーナリスト』(かもがわ出版)、『地球を活かす―市民が創る自然エネルギー』(シネフロント社)、『反米大陸』(集英社新書)、『燃える中南米』(岩波新書)など。

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