「哀悼」「謝罪」を表明したゴルバチョフ、エリツィン時代の見解を転換か?
2016年06月30日
ナルイシキン・ロシア下院議長が先の訪日時に日ロのメディアに対して行った記者会見(2016年6月17日)は、いろいろな意味で興味深かった。
しかし、領土問題に関するナルイシキン議長の発言は、「日本が第2次世界大戦の結果を認めること」と、「(平和条約締結後の歯舞、色丹2島の日本引き渡しを定めた)1956年の日ソ共同宣言で両国が負う義務の実現」が解決のための条件という、これまでのロシアの公式路線そのものだった。
一方で、日ロ関係にかかわる歴史的に重要な問題で、ロシアの政権中枢が態度を変化させていることをうかがわせる発言もあった。
第2次世界大戦後のソ連によるシベリア抑留について「戦争捕虜に対するソ連の行動は国際法に違反していなかった」と語ったことだ。
シベリア抑留についてエリツィン元大統領は1993年10月の訪日で「非人間的な行為」との認識を示し、「全体主義が犯した罪」を謝罪した。今回、「国際法違反はなかった」としたナルイシキン議長は謝罪をせず、「犠牲者に哀悼の気持ちを持つ」としただけだった。
会見で議長は、米国による広島、長崎への原爆投下について「人道に反する罪であり、国際裁判で裁かれるべきだ」とする以前からの持論も語った。抑留に関する発言はこれを受けた質疑の中で出てきた。日ロのメディアはほとんど報じていないので、記録の意味も込めて関連する発言全部を紹介しておきたい。
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