春名幹男(はるな・みきお) 早稲田大学客員教授(米政治安保、インテリジェンス)
1946年京都市生まれ。大阪外国語大学卒。共同通信社ニューヨーク支局、ワシントン支局、ワシントン支局長。名古屋大学大学院国際言語文化研究科教授をへて、現在、早稲田大学客員教授。ボーン・上田記念国際記者賞・日本記者クラブ賞受賞。著書に『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『秘密のファイル―CIAの対日工作』(共同通信社)など。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
世界秩序に大変動をもたらすか
11月8日投票の米大統領選挙に向け、民主、共和両党の全国大会で正式に大統領候補に指名されたヒラリー・クリントン前国務長官(68)と不動産王ドナルド・トランプ氏(70)。2大政党で初めての女性大統領候補が、政治経験のない実業家と対決するという異例の組み合わせとなった。
だが、それよりもむしろ、ロシアの動向の方が注目される異常な事態が起きている。
実は、ロシア寄りの発言をしてきたトランプ候補をロシア情報機関が対米サイバー攻撃によって支援する、という前代未聞の構図が浮上したからだ。
もしトランプ候補が勝利すれば、西側同盟体制の崩壊、ひいては世界秩序の歴史的な変動を招く危険性もあり、強い関心が集まっている。
「eメール疑惑」と言えば、クリントン氏が国務長官在任中、私用のサーバーで機密情報を含んだeメールをやりとりしていた問題、と理解されてきた。
しかし6月14日付ワシントン・ポストが、ロシア情報機関による民主党全国委員会のコンピューターへのサイバー攻撃の事実を報じて以後、事態は一変した。
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