最も平和に貢献した平和賞に?
2016年10月18日
なければないでかまわないが、あれば人の心をかき乱す。そんな妖しいものが集まった魔の地が南米コロンビアだ。緑の宝石エメラルド、あでやかな蘭のカトレヤ、コクのあるコーヒーと華やかな美女、そして麻薬のコカイン……。
蠱惑的なものがこれほどそろっていれば、人は幻惑される。夢と現実が織りなすガルシア・マルケスの作品が生まれたのも、この風土だからこそだ。
現実の政治も小説さながらだ。大土地支配を続けようとする旧勢力、米国流の新自由主義を狙う新勢力、さらに政権を奪おうとする左翼ゲリラが絡んだ。それも世界のゲリラのオンパレードのように。
それもつかの間、やらなくてもいい国民投票をして、過半数が合意の内容に反対という結果を招いた。和平は頓挫したかに見えた。
窮地を救ったのがノーベル平和賞だ。
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