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飛行ルートはまさにシルクロードの上空

 シルクロードの旅で乗り込んだのはウズベキスタン国営航空の直行便だ。週に2便ある。東京からウズベキスタンの首都タシケントまで6030キロ。成田空港を午前11時5分に出発して、午後4時35分には目的地に着く。

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 とはいえ時差が4時間あるので飛行時間は9時間半もある。機中は寝たいところだが、寝るわけにはいかない。飛行機の航路はそのままシルクロードの上空に重なる。昼間の飛行だから、うまくすれば上空からシルクロードを眺めることができるかもしれない。

 成田空港を飛び立ったボーイング767型機は富士山の北から日本アルプスを北上して富山湾に抜け、日本海の岸に沿って西南に飛んだ。

 進路を変えたのは島根県の宍道湖を過ぎたところだ。ここから日本海上空に突入した。北緯35度を真西に飛ぶ。そのまま行けば中国の西安の上空だ。かつて唐の時代にシルクロードの東の起点だった長安である。飛行ルートはまさにシルクロードの上空をなぞっている。

上空から見た蛇行する黄河拡大上空から見た蛇行する黄河=撮影・筆者
 中国大陸をぐんぐん奥深く進入する。眼下の大地は真っ平らだ。一面、見渡す限り水田が広がる。その上を1枚の幅広い布がたなびくように、曲がりくねった茶色の大河が流れる。黄河だ。

 いくつもの支流を飲み込みながら大きく蛇行する。航路表示は、目的地まであと3548キロを示す。同じような風景が延々と続き、しだいに緑は絶えていった。

玄奘が歩いたルートを目にしながら

 離陸からちょうど4時間。地面は赤茶けた黄土色になった。ゴビ砂漠だ。

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筆者

伊藤千尋

伊藤千尋(いとう・ちひろ) 国際ジャーナリスト

1949年、山口県生まれ、東大法学部卒。学生時代にキューバでサトウキビ刈り国際ボランティア、東大「ジプシー」調査探検隊長として東欧を現地調査。74年、朝日新聞に入社し長崎支局、東京本社外報部など経てサンパウロ支局長(中南米特派員)、バルセロナ支局長(欧州特派員)、ロサンゼルス支局長(米州特派員)を歴任、be編集部を最後に2014年9月、退職しフリー・ジャーナリストに。NGO「コスタリカ平和の会」共同代表。主著に『凛凛チャップリン』『凛としたアジア』『凛とした小国』『9条を活かす日本―15%が社会を変える』(以上、新日本出版社)、『世界を変えた勇気―自由と抵抗51の物語』(あおぞら書房)、『13歳からのジャーナリスト』(かもがわ出版)、『地球を活かす―市民が創る自然エネルギー』(シネフロント社)、『反米大陸』(集英社新書)、『燃える中南米』(岩波新書)など。

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