『関東大震災朝鮮人虐殺の記録』(西崎雅夫編著)の重さ(上)
2016年11月10日
10月半ば、韓国のメディアで「嫌韓都市・大阪」というテーマがとりあげられたことがあった。
「大阪はこれまで韓国人にもっとも人気がある都市だったのに……。いったい何があったんだ?」
テレビニュースでは「わさびテロの大阪で、最近は韓国人の少年への暴行事件もあり、領事館では注意を呼びかけている」(10月11日、SBS)、あるいは「日本、大阪で観光客暴行…続く嫌韓なぜ?」(12日、KBS)などの報道が続き、新聞にも「大阪で韓国人相手に無差別暴行」などの記事が掲載された。うち日刊紙の一部は日本語版でも読むことができる。
この「無差別暴行」は、原文では「ムッチマ暴行」であり、これはふだん通り魔事件などに使わる言葉だから、日本語訳とは少しニュアンスの違いはあるかもれしれない。
また、バス会社の「韓国人差別チケット」については、「バス乗車券テロ」という呼び方で暴行と同じように批判するのは、むしろ「事件の拡大を面白がっているようで不愉快だ」という意見もあった。
メディアと一般韓国人の反応にズレがあるのはいつものことで、現地の反応に関しては後でふれる。さらにここに、南海電鉄の「外国人が迷惑を……」という車内放送の問題が加わり、「日本では最近になり外国人に対する嫌悪感が増幅している」と解説されていた。
ところで、このうち「バス乗車券」と「南海電鉄」の2件について、日本のメディア等で、当事者に「差別の意図はなかった」ことが報じられていた。
おそらくそうなのだろうと思う。
しかし、問題はそれでは終わらない。
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