2016年12月06日
[1]国内外で起こる歴史の反復=「隔世遺伝」
[2]朴槿恵政権が背負う歴史的な「死重」
朴槿恵(パク・クネ)大統領の退陣を求めるデモが拡大の一途をたどり、ついに朴大統領が、2018年2月の任期満了を待たずに辞任することを表明しました。
朴大統領派が望む「名誉ある退陣」にしろ、国会と憲法裁判所による「弾劾」という強制的退陣にしろ、来年2017年4月までに彼女が大統領の職を失うことは、どうやら必至のようです。
また4月までに退陣するにしても、それまで彼女は一切の権限のない名目的な元首に過ぎなくなるのか、それとも、内政以外の外交や防衛、南北関係などについては大統領としての権限を持ち続けるのか、まだ不透明です。
また、今後のチェ・スンシル被告への取り調べや朴槿恵大統領への特別検察の取り調べの結果次第では、世論がさらに激昂し、即時退陣要求が広がり、弾劾案の可決と、憲法裁判所による早期の弾劾決議合憲の判決が出て、朴大統領が来年1月にも退陣というシナリオも考えられないわけではありません。
また、今後の国政のあり方が国会によって決定されるにしても、与野党の歩み寄りがどこまで進むのか、誰が首班に指名され、どんな暫定政権が誕生するのか、まだわかりません。また大統領選挙に向けて与野党の思惑が交錯し、政界再編も考えられないわけではありません。
具体的には、中道左派的なスタンスを取る野党第2党の国民の党に、与党セヌリ党の非朴派の政治家が合流することも考えられるのです。その意味で、朴大統領退陣を織り込んで、次期大統領選に向けて走り出しつつある韓国のゆくえは混沌としていると言えるでしょう。
しかしながら、少し見方を変えると、朴大統領が事実上権限を失ったことで、
有料会員の方はログインページに進み、朝日新聞デジタルのIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞デジタルの言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください