「百戦錬磨の不動産王政権」との交渉術
2016年12月15日
今年11月の自衛隊音楽まつりは印象的であった。
最終演奏で「今日の日はさようなら」を日米の軍楽隊が演奏したのである。
言うまでもなく、この曲は卒業式等で歌う別れの歌であり、「たぶん二度と会うことはないが、忘れずにいよう」という内容である。これは偶然だろうが、ある意味で、日米両国に関する現状の懸念を的確に表現した選曲であった。
実際のところ、トランプ政権はどうなるのであろうか。
思うにトランプ氏は鬼門である。筆者はJBpress や研究会にて2015年末よりトランプ政権誕生を一貫して主張してきた。だが、最終的には2択であるにもかかわらず、奇人・変人を除いた多くの論者が――あまつさえ外務官僚でさえ――クリントン政権誕生を断言してきた。
これは彼らの多くが、世論調査の生データを見ずにメディアの分析結果や業界の噂話を真に受けるか、願望で判断するという、大日本帝国軍以来の伝統的な過ちを犯したためである。
しかし、外交政策については、その生データたる人事情報や文書が圧倒的に不足しているのが現状である。本稿では、そのような中でも、現状の情報で比較的固いと思われる事実について、同盟関係に絞って述べよう。
最初に指摘しなければならないのは、トランプ政権には「わかりやすい政策」というものはないだろうということだ。つまり、事前に設定したわかりやすいゴールに向けて、段階を踏んでいくということはない。一見脈絡がなく、関係の薄い各戦術を状況ごとに駆使し、いつの間にか戦略的な成功を収めているというものであろう。戦略論でいうところの「順次戦略」重視ではなく、「累積戦略」重視である。
なぜ、そう考えるか。例えば、トランプ次期大統領は次のような警句を過去に発している。
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