「韓国の政変」から学ぶべきこと(2)
2016年12月27日
12月24日、クリスマスイブの夜も、光化門広場では、9回目の「ロウソク集会」が開かれた。参加者約55万人(主催者発表)という数字は、弾劾採決前夜に比べると減ったものの、それでも極寒の中でそんなにたくさんの人が屋外集会に参加するのは、たいしたものだ。
この時期のソウルがどれだけ寒いか、ある在韓日本人の友人はツイッターでこんな風に言っていた。
「(1)大きめのボウルに氷水を用意します (2)水に顔を浸け、息が続く限り耐えます (3)顔をあげます。それが今のソウルの外気です」
日本でも東北や北海道、あるいは山間部はそうなのだろうが、関東以南の平野部出身者にとっては、かなり刺激的な寒さである。デモの先例として挙げられる、李明博政権下の米国産牛肉輸入反対デモは2008年6月、あの時はちょっとした「夕涼み感覚」でも参加できたけれど、今回は違う。バスを待っていても足元から凍りつく、そんな路上に長時間居続けるのだ。
「寒いですが、大統領が退陣するのを見届けるまでは頑張ります」
こういう韓国人の「真面目さ」には、一緒に仕事をしていても驚かされることが多々ある。普段は「ケンチャナヨ~」(平気平気)とのんびりしていても、いざ本気になるとすごい。集中力と最後までやり続けようとする根性。前回も書いたけど、日本のワイドショーの上から目線の人たちはわかってない。嘲笑や敵意むきだしのコメンテーターもいるけれど、だとしたらなおさら、韓国人がどれだけ強い人達なのか、知っておいた方がいいと思う。
韓国人は強い。さらに、今回のデモで感じたのは、彼らの「寛容さ」だ。人口5000万の国で、デモの参加者200万人を超えると、どういう状況になるか。
「うちの会社の中で、デモに参加していない社員はいないんじゃないかな」
日韓合弁企業の理事をつとめる日本人の友人は言っていたけれど、まさに周囲の人々がほぼ全員デモに行くような雰囲気になる。これについて、ある在日韓国人は、「そこまでの一体感は気持ち悪い」という。
「全体主義というか……。逆に怖くありませんか?」
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