日系企業は中国の変化のスピードについていけるのか
2017年01月25日
中国の変化はすさまじい。昨日の常識が今日は通じない。明日は明日のルールがやってくる。中国の変化のスピードとスケールには驚かされるものがある。
日本の仕組みは将棋タイプといわれる。敵の駒をとると、それは自分の味方になる。その駒は「主人」が替わるだけで、生き残るのだ。戦国時代においても、戦国武将の勝ち負けによって領地のボスは変わるが、その地域の基本的な仕組みはそのままだ。米屋、八百屋、魚屋、酒屋、呉服屋、染物屋、鍛冶屋、宿屋などすべては新しい「主人」のもとで生き残ってきた。
第2次世界大戦を乗り越えて、形態を変えながらも日本の財閥は生き延びた。日本の官僚は内閣が変わろうと、政権が変わろうと、生き延びている。良くも悪くも、日本の仕組みの象徴といえる。さらに象徴的なのは天皇制だ。時代によって形態は変わるものの、2000年以上もの間、継続されている。これは世界に類がない。
日本のこうした連続性を重んじる文化では、変化は遅く、時には「じれったく」感じる。まどろっこしいのだ。しかし他面、成果の蓄積が行いやすく、積み重ねの文化を形成している。
中国では支配者が変われば、ルールも変わる。利権集団も変わる。文化も変わる。社会は「革命的変革」の繰り返しになる。制度の連続性がそのごとに切れるのだ。
現在、中国はその「革命的変革」の時期に差し掛かっているようだ。汚職や収賄などの禁止も一気に制度が変わりつつある。中国で汚職や収賄は「当然のこと」であり、
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