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「革命」の中国と「改革」の日本

日系企業は中国の変化のスピードについていけるのか

児玉克哉 社会貢献推進国際機構理事長、インドSSI大学国際平和創造研究センター所長

 中国の変化はすさまじい。昨日の常識が今日は通じない。明日は明日のルールがやってくる。中国の変化のスピードとスケールには驚かされるものがある。

連続性を重んじる日本

拡大PM2・5の数値が高い日に北京市中心部の繁華街でマスクをして歩く女性たち
 日本は連続性を重んじる国といえる。時代が変わろうと、継続されているものがはっきりと残っている。100年以上続いている企業は日本では2万6000にのぼるといわれる。1,000年以上も続く企業も、日本には7社あるといわれる。最古参の「金剛組」は、日本のみならず世界で一番長い歴史を持つ建築会社で、創業は西暦578年と飛鳥時代までさかのぼる。戦国時代の動乱も、明治維新も、第2次世界大戦も、オイルショックも乗り越えて、生き延びてきたのだ。政治体制も、経済の仕組みも、すべて変わっているが、その変化に応じて連続性を維持している。これに対して、中国では100年以上の企業は10数社と言われる。ちなみに韓国は7~8社だ。政権が変わると、謳歌していた企業や官僚などがすべてとって替わられる。地縁血縁で結びついた「利権集団」は一変され、全く新たな「利権集団」が生まれることになる。

 日本の仕組みは将棋タイプといわれる。敵の駒をとると、それは自分の味方になる。その駒は「主人」が替わるだけで、生き残るのだ。戦国時代においても、戦国武将の勝ち負けによって領地のボスは変わるが、その地域の基本的な仕組みはそのままだ。米屋、八百屋、魚屋、酒屋、呉服屋、染物屋、鍛冶屋、宿屋などすべては新しい「主人」のもとで生き残ってきた。

 第2次世界大戦を乗り越えて、形態を変えながらも日本の財閥は生き延びた。日本の官僚は内閣が変わろうと、政権が変わろうと、生き延びている。良くも悪くも、日本の仕組みの象徴といえる。さらに象徴的なのは天皇制だ。時代によって形態は変わるものの、2000年以上もの間、継続されている。これは世界に類がない。

 日本のこうした連続性を重んじる文化では、変化は遅く、時には「じれったく」感じる。まどろっこしいのだ。しかし他面、成果の蓄積が行いやすく、積み重ねの文化を形成している。

中国の社会は「革命的変革」の繰り返し

 中国では支配者が変われば、ルールも変わる。利権集団も変わる。文化も変わる。社会は「革命的変革」の繰り返しになる。制度の連続性がそのごとに切れるのだ。

 現在、中国はその「革命的変革」の時期に差し掛かっているようだ。汚職や収賄などの禁止も一気に制度が変わりつつある。中国で汚職や収賄は「当然のこと」であり、 ・・・ログインして読む
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筆者

児玉克哉

児玉克哉(こだま・かつや) 社会貢献推進国際機構理事長、インドSSI大学国際平和創造研究センター所長

三重大学副学長・人文学部教授などを歴任し現職。専門は国際平和論、市民社会論、NGO論など。国際平和研究学会の現事務局長でもあり、世界の平和研究の中核を担っている。グローバルな視点から社会科学の発展に寄与している。核兵器廃絶へ向けた「ヒロシマ・ナガサキプロセス」を提案し、世界的な運動を繰り広げている。2012年にインドの非暴力国際平和協会より非暴力国際平和賞を受賞。

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