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真っ青な空の下に建つイスラム建築の神学校拡大真っ青な空の下に建つイスラム建築の神学校=撮影・筆者

 ブハラからバスで4時間半かけ、サマルカンドに着いた。ブハラが日本の奈良なら、サマルカンドは京都だ。

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 中央アジアで最大規模のオアシス都市であり交易の中心地で、シルクロードの十字路となったウズベキスタンの世界的な古都だ。文化の交差路としてユネスコの世界遺産に登録されている。

 街はその美しさから「青の都」と呼ばれる。抜けるような青空が広がる下に、鮮やかな青緑のトルコ石の色をしたモスクのドームが陽光を反射して輝く。井上靖氏の表現を借りれば「魂がそこへ吸い込まれていかずにはいられないような青さ」(『遺跡の旅・シルクロード』)だ。

 地元の市民は「地球上にある最も歴史の古い町」だと誇る。「東のローマ」とも呼ばれるが古代ローマより古い。

 紀元前4世紀には遠征したアレキサンダー大王によって「死の町」となり、蘇ったあと13世紀にはチンギスハンの軍隊に踏みにじられて再び廃墟と化し、14世紀には中央アジアを席巻したティムール帝国の首都となって復活した。破壊と再生を繰り返した不死鳥のような町だ。「チンギスハンは破壊し、ティムールは建設した」と呼ばれるのが、この町である。

紙の道と、翻弄された民衆

 まず訪れたのは

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筆者

伊藤千尋

伊藤千尋(いとう・ちひろ) 国際ジャーナリスト

1949年、山口県生まれ、東大法学部卒。学生時代にキューバでサトウキビ刈り国際ボランティア、東大「ジプシー」調査探検隊長として東欧を現地調査。74年、朝日新聞に入社し長崎支局、東京本社外報部など経てサンパウロ支局長(中南米特派員)、バルセロナ1949年、山口県生まれ、東大法学部卒。学生時代にキューバでサトウキビ刈り国際ボランティア、東大「ジプシー」調査探検隊長として東欧を現地調査。74年、朝日新聞に入社し長崎支局、東京本社外報部など経てサンパウロ支局長(中南米特派員)、バルセロナ支局長(欧州特派員)、ロサンゼルス支局長(米州特派員)を歴任、be編集部を最後に2014年9月、退職しフリー・ジャーナリストに。NGO「コスタリカ平和の会」共同代表。「九条の会」世話人。主著に『心の歌よ!』(シリーズⅠ~Ⅲ)『連帯の時代-コロナ禍と格差社会からの再生』『凛凛チャップリン』『凛とした小国』(以上、新日本出版社)、『世界を変えた勇気―自由と抵抗51の物語』(あおぞら書房)、『13歳からのジャーナリスト』(かもがわ出版)、『反米大陸』(集英社新書)、『燃える中南米』(岩波新書)など。公式HPはhttps://www.itochihiro.com/

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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