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伝統的な帽子をかぶる男性と伝統的な衣装の母親、現代的な娘サマルカンドで拡大伝統的な帽子をかぶる男性と伝統的な衣装の母親、現代的な娘(サマルカンドで)=撮影・筆者

洋装の若い女性、民族衣装の年配女性

 サマルカンドの町を歩くと不思議な気がする。14世紀の古いモスクがそそり立ち伝統的な民族衣装を着た年配の女性が歩くかたわらを、モダンな洋装の若い女性が闊歩する。中世と現代が混在している。半世紀前の日本で洋服と着物が混在していたのに似ている。宗教の影響というよりも、近代化の過程ととらえた方が正しいようだ。

 イスラム社会と言えば、身体をすっぽりと布で覆ったアフガニスタンのブルカやスカーフで頭髪を隠したイランのヒジャブなど、女性が身体を隠した姿を連想する。でも、ウズベキスタンは違う。

 若い女性は日本や欧米とまったく変わらない洋服姿だ。ノースリーブで腕も脚もあらわにしたピンクや赤の花柄のワンピースを着た女性などごく普通に歩いている。女子学生やOLたちは体にピッタリした白いブラウスに黒のタイトスカートだ。イスラム原理主義者がいたら目を剥いて怒るだろう。

 一方で、年配の女性は伝統衣装や、それを現代的にしたような服が一般的だ。民族衣装は赤や黄色など色鮮やかな色彩で矢絣(やがすり)のような模様が入っている。ゆったりとしたワンピースの下にモンペのようなズボンをはく。日本の埴輪に見られる服に似ている。頭にはスカーフをかぶっている。

 男性の方は老いも若きも欧米の服装そのままだが、年配の男性は頭にドッピという四角い民族帽子をかぶっている。

金曜も働き、酒も飲む

祈りのためイスラム寺院に向かう高齢者は伝統衣装が多いサマルカンドで拡大祈りのためイスラム寺院に向かう高齢者は伝統衣装が多い(サマルカンドで)=撮影・筆者
 サマルカンド市内には114のモスクがあるという。ロシア正教の教会は5つでカトリック教会は2つ、ユダヤ教会も2つだ。圧倒的にイスラム教徒が多い。国民の8~9割がスンニ派のイスラム教徒だ。でも、ガイドのシュンコルさんは「私のような、なんちゃってイスラムもいますが」と笑う。

 アラブのイスラム国家では金曜が休日だが、ウズベキスタンは日曜が休日で金曜は普通の労働日だ。イスラムでは禁じられているお酒も飲むし、 ・・・ログインして読む
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筆者

伊藤千尋

伊藤千尋(いとう・ちひろ) フリー・ジャーナリスト

1949年、山口県生まれ、東大法学部卒。学生時代にキューバでサトウキビ刈り国際ボランティア、東大「ジプシー」調査探検隊長として東欧を現地調査。74年、朝日新聞に入社し長崎支局、東京本社外報部など経てサンパウロ支局長(中南米特派員)、バルセロナ支局長(欧州特派員)、ロサンゼルス支局長(米州特派員)を歴任、be編集部を最後に2014年9月、退職しフリー・ジャーナリストに。NGO「コスタリカ平和の会」共同代表。著書に『地球を活かすー市民が創る自然エネルギー』『活憲の時代』『変革の時代』『ゲバラの夢、熱き中南米』(以上、シネフロント社)、『一人の声が世界を変えた』『辺境を旅ゆけば日本が見えた』(以上、新日本出版社)、『世界一周 元気な市民力』(大月書店)、『反米大陸』(集英社新書)、『観光コースでないベトナム』(高文研)、『闘う新聞ーハンギョレの12年』(岩波ブックレット)、『燃える中南米』(岩波新書)など。

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